投稿日:2008年08月20日 作成者:yasunaka
スレッシュホールド(Threshhold)って言葉をご存知の方って、どのくらいいますか? 単語の意味はいろいろあるのですが、ここでは「限界、境界、分かれ目」という意味で捉えてください。電子工作とかやっていた方には割とおなじみの言葉だと思います。
電子回路の世界では、入力電圧をリニアに変化させた場合に、ある電圧を超えたときに出力電圧が急激に高くなるような現象を指します。例えばデジタル回路では、論理上は0に相当する電圧と、1に相当する電圧しかないのですが、これをアナログの世界で見た場合、当然その間の電圧も存在します。でも、このスレッシュホールドというものがあることで、入力電圧がそのスレッシュホールドのレベルに到達すると急激に出力電圧が立ち上がるので、0と1を明確に区別できるようになっています。
最近、いろいろな部分でビジネスの世界でもやっぱり同じようにスレッシュホールドというのがあるのだな、ということを認識ました。入力の部分はほんのちょっとの違いにしか過ぎなくても、そのスレッシュホールドを超えたとたんに、出力されるものは0から1へ、大きく変化する、ということです。
おそらくそれは、世の中では「正のフィードバック」が働いていることから来ているのではないでしょうか?。つまり何かが話題になると、それにつれて関連する部分でもそれが話題になる、いわば「話題が話題を呼ぶ」という現象です。(ちなみに逆をいうと、そのスレッシュホールドに達するまでは、「0」なのです)
「うまい正のフィードバック」をどうやって創り出していくか、がビジネスの成功の鍵ともいえるかもしれません。
投稿日:2008年08月13日 作成者:yasunaka
@ITのWeekly Top 10のGoogle ドキュメントの進化は止まったのかの中の、Google Appsに関するコメントを非常に興味深く読みました。記者の方はGoogle Docsのヘビーユーザだそうで、ユーザ視点に立った評価をしています。一言で言うと、SaaSってことで注目は浴びるけど、基本がなっちゃいないとみんな使わなくなっちゃうよ、とあります。
マーケティングという観点で考えると、まずは使ってもらうことがとても重要です。ですので、Google Appsの『掴みがいい』(使い始めたときにインストールなしで、すぐ使いだせる)というのは非常に強みになります。しかし、いざ使い込むと、既存のオフィスソフトに比較しての低パフォーマンスやバグの問題など、欠陥ばかりが目立つようになり、利用者の期待に応えたものになっていない、としています。
記事の最後はこのように締めくくられています。
— 引用 —
配信方法だけでユーザーを満足させるのは限界がある。ソフトウェアの基本性能を満たしながら、SaaSならではのプラスアルファが求められるのだろう。
————
私も、Google Appsが従来のデスクトップ型のオフィスソフトのSaaS版だ、という位置づけのままであれば、少なくとも日本では現状の地位から大きく躍進することは可能性として低いと考えています。インストールがないという点はシステム管理者からみた場合、とても重要な魅力ですが、もしそれがGoogle Appsの魅力のすべて、だとしたら、その魅力は非常に薄っぺらいものに思えるのです。
日頃利用するユーザが恩恵を受けるようなものこそが、本当に必要とされるものなのではないでしょうか?
投稿日:2008年08月05日 作成者:yasunaka
Googleのストリートビューの日本版を早速試してみました。なんと我が家が映っていました! 航空写真のときにもすごいと思ったのですが、これはそれに輪をかけてすごい。しかしいつ撮りに来ていたのだろうと思います。例のGoogleカーで撮りに来ていたのでしょうか。
私のうちは横浜なのですが、うちの近所のカバー率は結構高いように思えます。おそらく地図で青い道路はストリートビューがあると思うのですが、主要道路だけでなく、結構細めの道でもちゃんとデータがあるようです。
会社は、というと、会社の表側は遊歩道になっていて車が入れないため、残念ながらupdate it, Inc.の看板は見えなかったのですが、会社の裏の道路から会社の建物は移っていました。
ちなみに私はFireFox 3で見ているのですが、なぜか地図の下側にちゃんと描画されない領域ができてしまいます。バグかな?
Google Mapsは最初出たときの衝撃がすごく、特に外国まで地図や航空写真で見れたのが楽しくて、最初のころは暇があれば昔、香港に転勤していたときに住んでいたマンションを見つけたり、子供の時に住んでいたあたりを探索したりなど、いろいろ楽しんでいました。ただ最近は他の地図も追い付いてきた上にGoogleの反応が遅くて使いづらくなってきたため、ちょっとご無沙汰気味でした。でも久しぶりに使ってみたら、反応がかなりまともに戻った気がします。
またしばらくは使ってみて、ストリートビューにはまりたいです。(そんな暇はないですが)
投稿日:2008年07月28日 作成者:yasunaka
最近、「キャズム」(ジェフリー・ムーア著、川又政治訳 翔泳社)という本を読んでいるのですが(これも同じ営業を教わっている方に勧めらた本です)、当社のようなテクノロジー・ベンダが立ち上がるには、その初期段階においてイノベータ(テクノロジー・マニア)に続いて、アーリーアダプタと呼ばれるビジョナリーが必要だ、と書いてあります。
キャズムという話は、むしろそのあとのアーリーアダプタからアーリーマジョリティに移行する際に、深い谷(キャズム)があり、難しいよ、というのがメインなのですが、今の私の関心事は、初期段階からどう離陸するのか、という点なので、ビジョナリーという言葉が強く印象に残りました。
ビジョナリーとは、自分の夢を描き、それに向けてリスクを取って行動することを厭わない人だと言えます。つまりコンサバなタイプではビジョナリーとはなり得ません。
私たちは、私たちの思い描く夢と、そのビジョナリーの夢を一緒に共有していきたい。そしてビジョナリーのためであれば、最大限の努力によって、その夢の実現し、喜びを分かち合えるようにしたいと思います。
これは、先日ブログで書いた「顧客との対話をベースに、ベストプラクティスをいち早く取り込み、誰よりも早く成長するシステムサービスを提供できること」という話とぴったり一致する戦略だと考えています。
我こそはビジョナリーだ、と思う方。ぜひコンタクトしてください。
投稿日:2008年07月23日 作成者:yasunaka
先週、あるセミナーで話を聞いてきたのですが、その際に講師の話を聞いていて非常に印象に残ったことがあります。それは「成功者をまねると成功しやすいらしい」ということです。
そりゃ当たり前といえば当たり前ですね。でもこの当たり前のことが以外とみんなできないんで、成功できないのかもしれません。
で、この成功者をまねるというのは、そういう人たちから直接話を聞いたり、一緒に仕事をしたりして、いろんなことを学ぶという点が一番の秘訣のようです。成功した人たちに囲まれていると成功しやすくなる、という話を聞きますが、これはそういう効果(成功者から自然に学ぶ(まねる)ことができる)が大きいのでしょう。
そしてそうするためには、やはり自ら動いて、そういう成功している人たちに接触できるように努力しなければならないのだと思います。
昨日お会いしたある方もある分野で非常に成功されている方なのですが、成功が成功を呼ぶように、自然にそうなった、と話していました。その方も非常に外交的な人で、とにかく人と話をしているのが仕事、という感じらしいのですが、そのように多くの人と情報交換をしていく中で、自然に成功への種を得てきているように思えました。
頭でっかちで、動かないのはだめなようですね。
投稿日:2008年07月22日 作成者:yasunaka
最近、仕事先でインターネットが使えない、という話をよく聞くようになりました。ソフトもインストール不可だそうです。個人が使うファイル共有ソフトなどにより個人情報漏洩が発生したり、ウィルスが蔓延したりなど、いろいろ事故が起こっていますので、それを回避するためにはやむを得ない処置なのでしょう。
しかし仕事の種類にもよるかもしれませんが、システム関連の仕事でインターネットが使えないと、ちょっとした調べものもできずに、仕事の能率が非常に低下すると思います。今はなんでもちょっとググればわかってしまう時代。10年前までは非常に貴重だった情報が、インターネットに溢れています。でももし、仕事上でこれらの情報を利用できないとすると、大きなロスをしているかもしれないのです。
とはいってもインターネットで能率がアップする仕事というのは限られているのかもしれません。また逆にインターネットが見れることで能率が下がっているケースもあるのかも。
私はインターネットがないと仕事になりません。しかし、以前Yahoo!をWebブラウザのホームページにしていたのですがが、これは仕事の能率を下げていた気がします。どうも気になるニュースが出ているとクリックしてしまうのです。仕事で使うWebブラウザのホームページはGoogleのトップページ(検索だけのやつ)か、何も表示しない状態にしておくべきかも。
投稿日:2008年07月18日 作成者:yasunaka
タイトルの「神は細部に宿る」とは、先日紹介したインビジブル・マーケティングに紹介されていた言葉で、20世紀建築界の巨匠ミース・ファン・デル・ローエの有名な言葉だそうです。
このインビジブル・マーケティングの中での「神は細部に宿る」という言葉は、顧客を本当に魅了したければ、細かいところまで神経を行き届かせなければならない、という意味で使われています。逆にいうと、そういうこだわりが顧客を満足させるということでもあります。
先日iPhoneについて書いたときに、「徹底していること、妥協を感じさせないこと」がすごい、と書いていたのですが、これがまさに「神は細部に宿る」という言葉の実践例なのではないでしょうか?
ソフトウェアの世界でいうと、単に機能を充足しているだけでは「神が降りてきた」状態にはならないのだと思います。ほんとにちょっとしたことでも気の利いた動きができるかどうか、どれだけ使い方がわかりやすくなっているか、にかかっているのでしょう。
最近、ソフトウェアのサービス化が謳われるようになってきましたが、そのためには単に機能の充足だけではなく、「神は細部に宿る」という観点で考えることが重要なのだと思います。
crossnoteもこの「神は細部に宿る」と思って頂けるよう、頑張っていきたいと思います。
投稿日:2008年07月16日 作成者:yasunaka
昨日、主にIT系の社長の方などが集まるある会合に出ていたのですが、その方々のパワーに圧倒されました。圧倒された、なんて言っている時点でダメですが、そのぐらい、パワー溢れる方々が多く、驚きました。
そして一番感じたのは、やはり中小企業では社長が一番の営業マンでなければならないのだということ。みなさん自社の製品を売り込むのがうまい。そして、まずはいかに相手の関心を引くか、ということに徹底的に注力しているようです。
そうです。一度興味を引いてもらえば、後は話が楽なのです。最初から「?」という状態ではなかなか話が進まないわけで、その興味を引いてもらうために、皆さん、あの手、この手でアピールしていました。
私もできるだけ客観的にアピールできることを、常に頭に入れておかねばならないと、強く思いました。
投稿日:2008年07月15日 作成者:yasunaka
日経ソリューションがITソリューションには「夢」があるというタイトルで300号記念特集を組んでいます。読んでみたのですが、私の個人的感想なのですが、なんというか、わくわく感があまりないというか、正直なところ夢を感じる部分が少なく思えました。
これは私の感性の問題かもしれません。
なんというか、「これ、すげー」って思える話があまりなかったのです。今の技術は昔の技術に比べ、洗練されていますし、すごい部分がいっぱいあると思うのですが、過去からの延長線上で予想のつくものが多く、突拍子もないような、突出したものというのはあまりない気がしたのです。
一方で、例えばiPhoneは「すげー」って思ったのですが、この違いは何なのでしょうか? iPhone自体も細かい要素技術を見ていけば、過去からの延長線上にあるものの組み合わせですし、iPhoneのコンセプトも日本には似たようなものが既にある状態だと思います。でもやっぱり、iPhoneは「すげー」っと思うのです。
iPhoneの例でいえば、それはやはり徹底していること、妥協を感じさせないことに尽きると思います。ここまでやるか、という驚きです。そしてその徹底する方向というのが、アイデアにあると思います。つまりアイデアを徹底的につぎ込んでいる点に私は驚嘆しました。マルチタッチなどはその最たる例です。
iPhone以外にも、私が過去において夢を感じた製品というのは、みんなアイデアがいっぱい詰まった製品でした。例えば昔、Excelを使い始めたときに、Macroの仕組みに驚嘆し、夢を感じました(今では悪者の代表のように言われていますが)。 WebブラウザでJavaアプレットを最初に見た時も、Web上で動作するという斬新なアイデアに驚き、夢を感じました。(ここら辺の話は、人によっては「えー!?」って言う人もいると思いますが)
みなさんはITにどのような夢を託しますか?
投稿日:2008年07月14日 作成者:yasunaka
なんか先週末はiPhone一色に染まった感がありました。それだけ話題性が高いんでしょうね。以前iPhone欲しいというブログをちょうど1年前ぐらいに書いていましたが、正直なところ、その時点では1年後に発売されているとは思っていませんでした。
でも私はまだ手に入れていませんよ。(欲しいけど)
このiPhone、クラウド・コンピューティングという観点でも、大きな意味をもった端末だと言えます。テレビとかでのコメントでは「これがあればPC要らない」と言っている人が何人かいました。そのぐらいいろいろなことができる端末が、しかもいつも携帯できるわけですから、非常に強力です。その端末で、クラウドを通じて日頃PCでないとできなかったことをiPhoneでもできる、ということになると、かなりのインパクトがありそうです。
ただ、とはいっても画面のサイズが違えば提供する機能も変えなければならないのだと思います。扱うデータはクラウドで一元的になっているとしても、手元での見せ方は、端末の種類に応じて変えるべきなのでしょう。PCで使うときには全機能を使うことができて、iPhoneではその中の一部の、画面が小さくでも使いやすい機能だけが使える、というような切り替えです。
一方で、一つ一つの端末毎にアプリケーションを作りこんでいては大変です。画面サイズに応じて、載せる機能のプロファイルを用意するだけで、自動的に端末専用の画面が構築できるようなツールがあるといいなぁ、と思います。
(テンプレート・エンジンとか使うと、できるのでしょうか? > 詳しい人)