AIJ投資顧問の事件

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投稿日:2012年02月28日 作成者:yasunaka

昔、金融系のSEで、かつ投資顧問系に関わっていたこともあり、かなり気になるニュースです。以下、毎日.jpからの引用。

— 引用開始 —

関係者によると、AIJは04年の創業直後から資産運用に失敗し損失を出していた。一方で、顧客には利回りの高い金融派生商品の「日経平均オプション取 引」などを駆使した運用で業績が好調なようにアピール。ITバブル崩壊以後の世界的な金融危機でも業績が堅調なように装い、中小企業などの小規模な「私的 年金」から資金を集めていた。

— 引用終わり —

オプション取引とはデリバティブ取引の中でも、もっとも一般的な取引形態の1つで、かつ上記の取引は非常に流動性の高い、コモディティー化した取引です。そのなかで、常にリターンを得る、ということは「ありえません」。デリバティブは株や債券と異なり、基本的にゼロサムゲーム。長期的に勝ち続けることは不可能なのです。金融のプロであれば、そんなことは常識のはず。

オプション取引は、基本的にヘッジに使うためのツールです。何か積極的にリターンを得るためには、まずは誰も気づいていないマーケットの「歪」を見つけなきゃならないわけですが、ある一時点で自分だけがそれを気づいたとしても、それが継続的に続くことはまずない。普通、他の人も気づきます。

この事件により投資顧問業全体に一律に監査が入ることになるそうですが、まじめにやっているところはたまらないでしょうね。

ちなみに、昔、Javaを最初に勉強したときに、一番最初に作ったのがBlack-Sholesのオプションの評価式でした。ちゃんと動いて感動した覚えが。あれは15年も前か。懐かしい…

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