投稿日:2010年03月11日 作成者:yasunaka
先日、ある人と話していたときに、面白いことを言われました。
「スキー滑れないスキーのコーチって聞いたことある? スキーではコーチってみんな滑れるって思っているけど、プログラムを書けないシステムコンサルっているよね。おかしいでしょ。」
確かに、スキーのコーチは普通それなりにスキーの上級者であることを期待しています。どうやればうまく曲がるのか、どうやればうまくスピードをコントロールできるのかは、スキーが上級の腕前があり、十分に身についているからこそ、他人に上手に教えられるものだ、と誰もが思います。
が、システムの世界ではなぜかこれが通用していない。実際のプログラミングやシステム構築の経験がないまま、「バーチャルな」システムコンサルをしているケースは結構多いように思います。
でも、よくよく考えてみると、やっぱりそれではうまく「コーチ」することは出来ないはずです。少なくとも、プログラムの基本的な仕組みとか、こんなことをやれば、どれだけの開発が必要で、開発ではどんなリスクがあって…のような基本的なことが肌の感覚で理解できていないと、頓珍漢で意味の無いやり取りが大量に行われ、プロジェクトが迷走することが多い気がします。
さらにそういった場合、その「頓珍漢さ」に本人たちが気づいていないから、たちが悪かったりしますが…
投稿日:2010年02月14日 作成者:yasunaka
バレンタインの本日(ぜんぜん関係ないですが… :lol:)、crossnote ver 1.4.5をリリースしました。
今回のリリースでははリリースでは編集スケジュール機能を追加しました。また参照検索機能を充実させ、変更部分への参照を検索したり、同じXMLタグを利用しているドキュメントを検索できるようにしました。
今回追加された機能を、ちょっとだけご紹介しておきます。
1.編集スケジュール機能
crossnoteはコンカレント編集(同時に複数の人で1つのドキュメントを編集しあえること)が可能ですが、これをさらに使いやすくする機能が、編集スケジュール機能です。

上記の画面は編集スケジュールの一覧画面で、プロジェクト全体の編集スケジュールをチェックすることができます。たとえばドキュメント単位や、章ごとに編集スケジュールとして担当者と期限を設定することができます。
担当部分の進捗状況もこの画面で報告することができます。上記の画面では、第2章の担当者が「炎上中」と報告していますね。
他の人が担当している部分を修正しようとした場合、「他の人が担当しているよ」とcrossnoteが警告します。もちろん無視して修正することも可能ですが、こうすることで無用なコンフリクトが発生するのを回避することができます。
ちなみに編集スケジュールデータはエクスポートしてMS Projectなどに読み込ませることも可能です。
2.参照検索の機能追加
ドキュメントを修正した際、その修正した部分が他のドキュメントにどう影響を与えるのかを簡単に調べることができるように、「変更点への参照」を検索する機能を追加しました。変更された要素への参照コピーや参照リンクなどをまとめて検索します。

この機能はタイムラインや履歴の比較の中でも利用できます。
他にも、今回のリリースでは同じXMLタグが使われているところを検索する機能や、コメントビューアの改良など、いろいろ盛りだくさんです。
詳しくはこちらをご覧ください。
crossnoteのサポートページ
投稿日:2010年02月10日 作成者:yasunaka
CNET Japanに「iPadをどう見る?」というお題でいろいろな人がコメントしているのを見たのですが、読んでいて、「おお!」と思ったのがありました。
加藤順彦 / @ykatou さん (PanAsia Partners pte ltd パートナー)のコメント
「従来業態である 取次卸、書店、そして出版社の存亡や在り方を変えるエポックとなることでしょう」というのは、まあ良く聞く話なのですが、次の
「一方でこれからは印税70%時代(一気に7倍)。新たなプロフェッショナルとして超編集者が登場しそうです。」
には、そういう見方があるのか! と驚いてしまいました。
雑誌や本が売れなくなった、と言われ、最近の出版業界は何となく元気がないのかな?と思っていたのですが、もし上記のようなことが起こるのならば、また活気づくのかもしれません。
世の中、クリエイティブの領域はどんどんパーソナルで活躍できるような環境が整いつつあります。デジタル化、およびインターネットにより、大がかりな投資をしなくても、アイデア勝負で雑誌を発行するようなことが仕組み的には可能になったといえます。
ただ今まではうまくマネタイズするのが難しかったと思います。小額を気軽に支払えるような仕組みが整備されておらず、インターネットで無料提供して収入は広告のみ、というビジネスモデルになりがちでした。そしてここのところの広告収入の落ち込みで、そのような形態はなかなか成り立ちにくくなっています。
iPadのiBookstoreがどのようなものになるのか、まだわかりませんが、読者が気軽にお金を支払えるインフラとして非常に優れたものになる可能性があります。そうなると、コンテンツの制作側にもいろいろといい影響がでるのかもしれません。
iPhone用のアプリを開発しているのは、必ずしも大企業ではなく、小さい会社とか、個人だったりしますが、それと同じような現象が雑誌の世界でも起こらないとも限りませんね。
投稿日:2010年01月14日 作成者:yasunaka
うーん、こういうの大好き。
FlashランタイムのJavaScript実装「Gordon」が登場
ちなみにGordonって何かと思ったら、昔のアメリカの新聞連載漫画の主人公の名前で「Flash Gordon」ってのがあるんですね。いい名前だ。
FireFoxとiPhoneでしか見ていませんが、確かにJavaScriptだけでFlashアニメが動きます。すげ?。ただし「対応タグ一覧」というのを見るとわかるんですが、対応しているのはSWF Version 1のレベルだけなんですね。まあ、そりゃそうか。
ちなみにFlashのベクター図形の描画には、SVGのレンダリングを利用しているようです。当然、IE8では動きません。でも先日IE9に向けて、MSもSVGサポートを考えているっぽいと言うニュースが流れていましたので、IE9ではGordonも動くようになるかも。
ま、Flashのプラグインがあれば別にこんなの要らないでしょ、とか、IEで動かないんじゃ意味ないよね、とかいう至極マットウな意見もあると思いますが、純粋に技術的に面白いですよね。だって、JavaScriptだけで、プラグインなしでもFlashが動くなんて、なんかマジックみたいじゃないですか!
裏を返すとそれだけJavaScriptが、HTMLを基盤とした環境として大きな存在感を持ってきたってことなんでしょうね。そのうちネイティブアプリが昔の大型コンピュータと同じような扱いを受ける日がくるんだろうか…
投稿日:2010年01月03日 作成者:yasunaka
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
さて、この年末?年始、私の子供たちはウイニング・イレブンというゲーム(Wii版)にはまっています。世界中の実在するサッカーチーム同士でプレイができるというゲームソフトなのですが、これがとても良くできていて、傍から見ていると、本物の試合なのか、テレビゲームなのか区別が付かなくなるぐらいです。
選手の動きがなかなかリアルですし、カメラアングルなども凝っていて、さらにゲーム中の解説が本物そのもの(?)だったりするので、単なる「作り物」のレベルを超えている感じがします。
私はついついゲームそのものよりも、ソフトウェアの出来という観点で見てしまうのですが(職業病ですね)、こんなものすごいソフトウェアに、子供たちが普段から接している、ということに末恐ろしさを感じてしまいました。
昔は画面上でちょっと動きがあるぐらいでみんな驚いたものなのですが、今のゲーム世代にはそんなものは当たり前、空気みたいなもので、驚きでも何でもなくなっているのではないでしょうか?
逆にその辺りに妙に凝ってしまっているアプリケーション・ソフトウェアには、既にアナクロ感が漂ってしまっているのかもしれません。一般のプログラマが組む程度のソフトウェアでは、どんなにがんばってデコレートしたところで、ゲームソフトの「きらびやかさ」にはかないません。中途半端にがんばってみたところで、それが当たり前の今のゲーム世代には何ら訴えるものがない、という悲しい結果になりそうです。
そして、Googleのような見た目貧相なユーザI/F(失礼)でも使う側を感動させることがある、というのも事実です。エンドユーザに訴えかけるために何に力を入れれば驚いてもらえるのか? そろそろ根本に返って考えてみる時期なのか?と、年初にふと思いました。
投稿日:2009年12月25日 作成者:yasunaka
今年の8月に、マイクロソフトに「Word」の販売差し止め命令というニュースが流れて、なんじゃそりゃ?ってブログで書いていたのですが、なんととうとう、控訴審でも「Word」販売差し止め判決、Microsoftは該当機能の削除で対応 ということになってしまったようですね。
未だにこんな内容で特許がとれる、ということには疑問がありますが、どうも今回の騒動は、他の特許管理会社による訴訟のケースとちょっと違っていて、訴えているi4iという会社はXML分野では老舗の実績のある会社で、i4iが売っていた仕組みと同等のものをWord2003、2007で載せちゃった(パクッちゃった?)ので、マイクロソフトが訴えられた、という、実は特許紛争としてはまともなものだったようです。
i4iもWordにXMLの仕組みを付加して売っている会社なので、そもそもWordの息の根を止めたいわけではなく、問題の「カスタムXML」の機能だけを削ればいいよ、ということのようです。(もちろんガッツリと賠償金をゲットしているようですけど)
『Microsoftは、2010年1月11日以降に販売されるすべての「Microsoft Word 2007」から同機能を削除する予定』ということですが、気になるのが、この対応で削られる「カスタムXML」という機能。ほとんど使われていない機能だとどっかのニュースサイトで書いてありましたが、そりゃあ個人では使っていないかもしれないけど、SIなどでは使っているケースがあるんじゃないでしょうか?
どうすんだ?
社内のシステムならまだなんとかなりそうだけど、パッケージ化して外販みたいなことは難しくなるはず。まあ当然、マイクロソフトは保証してはくれないと思うし。あとWord2010ではそもそもカスタムXMLの機能は除外されているらしいし。もうあきらめてくれ、ということなのかもしれません。
あ、そうそう。crossnoteも前回のバージョンアップでXMLタグに対応しましたが、この特許には引っかかりませんので、ご安心ください。この特許は、コンテンツとテンプレートを分けて保持する方式に関するもので、Wordの場合、WordのXMLと内容を保持するカスタムXMLを別々に持ち、その間をマッピングすることで実現していたので、まさに特許の内容と同じ形式なのですが、crossnoteはコンテンツを流し込んでしまうので、そもそも分けて持っていません。
投稿日:2009年12月24日 作成者:yasunaka
いまさら感ありありですが、ようやくiPhone手にいれました。このブログで「iPhone欲しい」と書いたのが2007.7だったので、2年以上経って手に入れたことになります。遅すぎ。
2007.7に書いたときにはまだ日本では発売していませんでした。途中、タイミング悪く、ソフトバンクがiPhoneを発売する前に別のソフトバンク携帯を手に入れてしまったため、2年間待たされてしまった、というわけです。
で、感想ですが、やっぱりすごいですね。この一言。
私は以前、WorkPad -> CLIEとPalm OSを使ってきており、iPhoneを手に入れたのも、要はPCと連動するスケジューラが欲しかった、というのが第一目的でした。そういった意味では、iPhoneは100点満点で、150点ぐらいの出来。すばらしいwww
GoogleカレンダーとExchange形式で同期させて使っているのですが、これが実に良いです。CLIEの時には手動で同期しなければPCのデータと同期しなかったのですが、iPhoneとGoogle Calendarの組み合わせならば、何もしなくても自動的に同期します。これなら同期し忘れてスケジュールに穴を開けることはなさそうです。
いろいろと使って楽しんでいますが、一番感じることは、どこでもネットワークが使えるということの強さです。昔のWorkPadやCLIEとはぜんぜん別次元の「実用性」を感じます。Parm OSもそれなりに良かったのですが、どこかしら、新し物好きな人のための特別な「ガジェット」というレベルを超えていなかったように感じていました。しかし、iPhoneはネットワークといつでもつながる事で、本当に便利な、一度使い出したら手放すことにできないツールに進化しているように思えます。
ほんと、ポケットにPCを持ち歩いている感覚です。しかもPCよりも何をするのにも「実質的に」早い。アプリケーションのスピードを言っているのではないですよ。実際にやりたいことをやり遂げるまでにかかる時間を考えると、思ったときにすぐに実行できて、結果を得られるiPhoneのほうが、起動するのにいちいち時間のかかるPCなんかよりよっぽど早いんです。
う?ん、iPhone、恐るべし。(でも楽しいwww)
投稿日:2009年12月19日 作成者:yasunaka
@自分戦略研究所のブログで、ひでみさんという方がググるな危険というテーマでブログを書いているのですが、これがとても面白いです。私はこの内容にとてもストレートに共感できる部分が多いですね。
ひでみさんの指摘は、2つあります。
1つ目は、内容を理解しないまま検索&コピペで済ます文化に対する批判です。この弊害は私も良く感じています。検索してコピペすれば、確かにアウトプットとしては「なんとかなる」場合が多いのですが、きちんと理解できていないので、その場しのぎをしているだけになっているのです。これはプロの仕事ではないですね。
もう一つは、質問をなかなかしないまま抱え込んでしまう人への批判。わからないときはもっと質問をするべきだと。
その通り。抱え込んで質問しないまま半日悩んだあげく、全然違う方向に進み出して、後で「違うじゃん」ってなった場合、どれだけ大きな無駄を発生させているのかを認識しないとだめなんです。
でも質問って難しい。このブログをテーマに「ググるな危険」を読み解くというまとめが@自分戦略研究所に載っていますが、その中で生島勘富さんという方が『注意しなければいけないのはただ1点、「同じ質問を何度もしない」ということだけ』という指摘をしています。
そう。同じ質問を繰り返さない。これが基本中の基本だと思います。これを守れば、どんどん質問をすべき。そういうコミュニケーションが重要なんです。
でもやっぱり心理的抵抗があって、質問するのが難しいと感じている人がいると思います。そんな人には、ぜひこれを勧めてみたい。
「今、一番適切な質問は何か?」
質問することに心理的抵抗があって抱え込みやすい人って、自分で考えるのが好きな人じゃないかと思うんです。そんな人は、ぜひ今、何を質問するのが一番適切なのか?を考えて欲しい。これは、自分がわからないことは何か?を明確にすることだと思うんです。
つまらない質問をだらだらとする人がいますが、こういう人は、自分が何がわかっていないのかもわかっていない。ただ単に質問するのではなく、自分が本当に理解すべきことを明確にした上で、相手に質問をする。これが重要だと思っています。
質問が苦手な人でも、何を質問するのが適切なのかを最初にじっくり考えるようになれば、自分の頭の中身の整理ができ、質問の内容が的確になり、質問をしやすくなると思っています。
もしあなたがそういう人の場合には、ぜひ試してみてください。
投稿日:2009年11月30日 作成者:yasunaka
ちょっと気になるニュースが。
Office 2010では同時編集機能やビデオ編集も強化
Office 2010ではSharePoint Serverの連携することで、「Word 2010を使った共同編集では、段落単位のロック機能で、リアルタイムの共同作業が可能になった」らしい。Officeがcrossnoteに近づいてきた!?
まあ共同編集といってもだいぶ違う感じですね。Wordはロック方式なのに対し、crossnoteはコンカレント編集。つまり、crossnoteはそもそもロックなどしないでも同時に編集できてしまうということ。これはWordとは異なり、文章のアウトライン構造を別に持っているのでできる技です。
一方、Wordはロックした部分は「リアルタイムの共同作業」と言っている。ということは、おそらくGoogle waveを意識した物なのではないでしょうか?
Wordもどんどん進化していますが、過去との互換性という点で、ドキュメント構造がドラスティックに変更される、というのは無理なんじゃないかな? なので、今回のやり方が精一杯なのかもしれない。
そしてもう一つ、大きな違いは、Wordの共同編集がSharePoint Serverを前提としていること。一方のcrossnoteははじめからインターネットをベースにしたシステム。
SharePoint Serverを前提にするというのは、私にはかなりのハンデに思えます。なぜなら、SharePoint Serverをインターネット上で運用するってのは、考えにくいから。
そもそもActive Directoryをインターネット上の公開ゾーンで運用している例もあまり聞かないし。SharePoint Serverを前提とすると、通常はVPNを使ったクローズドな環境での運用になる。(やってやれないことはないと思うけど、結局やっている人がほとんどいない、という事実がすべてを物語っていると思います)
つまり、会社などの組織を超えた連携には、非常に使いずらいはずです。なんでWindows Live!を前提にしないのでしょう??? いずれそういうのを出してくるのでしょうか? でもそうすると、Windowsサーバが売れなくなるので、痛し痒しなのかも…
まあ、そういった出発点の違いが、いずれ大きな差になるはずだと、勝手に思っています。 😀
投稿日:2009年11月29日 作成者:yasunaka
本日、crossnote ver 1.4.4をリリースしました。
今回のリリースはリリース番号こそマイナーバージョンアップですが、crossnoteの今後の方向性を示す、大きな変更になっています。
今回の機能の目玉は、XMLタグによるXMLファイルのインポート、エクスポート機能を実現し、AdobeのInDesignなど、外部アプリケーションとの連携を容易にしたことです。これにより、crossnoteはドキュメンテーションの入り口から出口まで、ドキュメンテーション・プロセス全体をサポートできるシステムにバージョンアップしたことになります。
例えばこんな使い方が可能です。
■定期的に変わるマニュアルやレポートなどにおいて、crossnote上でドキュメントを編集し、それをInDesignに読み込ませて版組する
■外部データベースなどから作成したXMLデータを取り込んでcrossnoteドキュメントに貼り付ける。
XMLタグの定義は毎回実行する必要はありません。一度crossnoteドキュメントにXMLタグを定義してしまえば、後はインポートやエクスポートするだけで自動的にXMLファイルの形でデータ交換が可能になります。またXMLファイルにデータリンク・キーを持たせることで、インポートするXMLファイルと更新対象とするcrossnoteドキュメントを紐付けることも可能です。
詳しくはこちらをご参照ください。