プロジェクトを確実に破綻させる方法 その4

コメントは受け付けていません

投稿日:2007年04月09日 作成者:yasunaka

プロジェクトを確実に破綻させる方法の第4弾は、「聞いていない」です。これ、プロジェクトの中ではよく起こりませんか?

聞き手が聞き漏らしていた場合もありますし、本当に聞かされていなかった、ということもあるでしょう。でもどちらにしろ、プロジェクトの中で、「聞いていない」ことが自分の知らないところでいつの間にか決まっていた、ということがたびたび起こった場合、相互に不信感が募ることになります。

「聞いていない」ことによる問題は、それによって何か大きな抜けが発生するといった直接的な面もありますが、それ以上に心理的にネガティブになってしまう問題のほうが大きいでしょう。自分が蚊帳の外に置かれたと一旦感じてしまうと、その人の積極性が失われてしまい、Aクラスのスタープレーヤーだった人がとたんにCクラスの他の人の足を引っ張る人になってしまったりします。

プロジェクトマネージャーやサブリーダーの人は、自分が担当するメンバーに対し、直接関係がないと思った情報でもなんらかの形で伝達するように努めるべきだと思います。プロジェクトマネージャやサブリーダーが知っていることと、プロジェクトメンバーの知っていることには何が特別な理由がない限り、差をつけるべきではありません。何が伝えられないことがある場合には、どういったことは伝達できて、逆にどういったことは伝達できないのかを予め明確に示しておくことも重要です。そうやってみんなに全部さらけ出しているんだよ、とプロジェクトメンバーにアピールすることで、各メンバー一人ひとりのプロジェクトへの帰属意識を高めることができるのではないでしょうか?


さくら

コメントは受け付けていません

投稿日:2007年04月06日 作成者:yasunaka

入学式の季節ですね。今年はちょうど桜が満開でいい感じです。

さくら

ちなみに以前、もう葉桜になってしまったと紹介したのがありましたが、あれば別の種類なのでしょうか?

タグ 雑談

シンプルなプロセス

コメントは受け付けていません

投稿日:2007年04月06日 作成者:yasunaka

4月2日のブログプロジェクトを確実に破綻させる方法 その3として「曖昧プロセス」について書きましたが、では逆にうまく回すにはどうすべきなのか? について述べます。

私はそのためにはプロセスの定義をできるだけシンプルにすべきと考えています。理由は簡単。人間そんなに複雑なものには対処できません。完璧な定義よりも、プロジェクトにかかわるチームメンバー全員が、きちっとを守り続けられることのほうが重要なのです。特定の人しか理解していないような複雑なプロセスは、結局オペレーションできません。一貫性をもって、同じ呪文を繰り返すことが品質を向上させるには重要なのです。定義の完璧さが重要なのではなく、きちっとオペレーションすることが大切だから、できるだけシンプルであるべきだと考えているのです。

ここででてくるのが、ブログ私の履歴書で書いたセブン・イレブン流の話です。私がセブン・イレブンの話を聞いたときに一番感銘を受けたのが、パートやアルバイトまで巻き込んで全社的に一貫して「仮説・検証」していてるという点でした。

シンプルだけと、一貫性のある、強力な呪文をみんなで唱えると強くなれるって、まるで何かのゲームみたいですが、if文の嵐のような大量のプロセス定義よりもよっぽど実効性があるのではないでしょうか?


サービス

コメントは受け付けていません

投稿日:2007年04月05日 作成者:yasunaka

昨日のシステム開発会社は製造業?サービス業?の続きです。もうひとつの製造業とサービス業の違いとして、相手に提供する成果が一過性のものか、継続的に提供するものか、ということがあります。製造業では製造物(成果物)を買ってもらいます。基本的には買ってもらえばおしまいです。一方のサービス業では、継続的にサービスを提供することが重要です。

少し前からオープンソースの製品を無償で提供しつつ、そのサポートを生業とする企業が出てきていますが、彼らはまさにサービス業といえます。サポートというのは「相手方の時間および手間を肩代わりする」行為であり、継続的に行うことが可能です。製品そのものを売るのではなく、サポート、つまりサービスを商売にしているわけです。

もちろん彼らも裏では一生懸命、製品のバージョンアップをしているわけですが、製造したものを売ってはいるわけではないのです。

このサポートサービスというのはライセンスによる商売の一種とも考えることができます。しかし単なるライセンス商売とは違い、顧客を継続的にサポートし続けること、そしてライセンスの代金は製品そのものに対する代金ではなく、それをサポートすることに対する代金であること、などが特徴となります。

なお、ここでいうサポートって保守のことだと決め付けないでください。実は非常に広範囲のことが、サービスとして提供可能なのです。また製品がオープンソースでなければならない、ということもないと思います。要は製造物を売る商売ではなく、継続的なサービスを提供する商売になっていれば良いのです。

こうしたサービスは、高い技術力やオペレーション能力がないと実現できません。単なる人出しの商売とはまったく異なる業種になります。これこそが今後システム開発会社の進む道だと私は考えます。

タグ 会社

コメントは受け付けていません

投稿日:2007年04月04日 作成者:yasunaka

会社の目の前を流れる「滝」です。ジャングルクルーズではありません。

滝

タグ 雑談

システム開発会社は製造業?サービス業?

コメントは受け付けていません

投稿日:2007年04月04日 作成者:yasunaka

昨日の「私の履歴書」の中で、「私の持論は、システム開発会社は製造業ではなく、サービス業であるべきだと考えています」と述べました。今日はこの意図するところを述べたいと思います。

普通に考えればシステム開発会社は製造業っぽいと思います。ちなみにウィキペディアによれば、製造業とは「原材料などを加工することによって製品を生産・提供する産業で、鉱業・建設業とともに第二次産業を構成する一大分野である」だそうです。大規模なシステム開発を行うSI会社の人達が少し自嘲気味に、「うちの仕事はゼネコンと同じだ」というのを聞くことがありますが、もしやっていることが建設業と似ているとすると、それはやはり製造業なのかもしれません。

一方のサービス業とは、同じくウィキペディアによると「サービスを取り扱う産業」で、そのサービスとは「取引の対象となりうる無形の商品のこと。役務(えきむ)。相手方の時間および手間を肩代わりする概念」となっています。また第三次産業と同義と捉える場合もあり、その定義によると情報通信業などの情報や知識を取り扱う産業もサービス業として扱われています。

ただ私が「システム開発会社は製造業ではなく、サービス業であるべき」という言い方をしているのは厳密な定義の話をしているのではなく、どうあるべきか、というか目指すべき方向性の話をしたいのです。ですので、ここから先は製造業のイメージとサービス業のイメージの対比として話を聞いてください。(ちょっと説得力がないですね。)

まず最初に言いたいのは顧客との距離です。サービス業といった場合、一般に思い浮かべるイメージとして、目の前に、もしくは関係の近い場所に顧客がいると思います。一方の製造業は製品を出荷するまでで、そこから先の顧客まではかなり距離があるのではないでしょうか? 以前のブログ「メニューと値段」で書いた「プレミアム」を得たいならば、この顧客との距離の関係で捉えた場合、製造業よりはサービス業を目指すべきではないか、ということが1つ言えます。

もうひとつは、サービスの定義にある「相手方の時間および手間を肩代わりする概念」というのが、まさにシステムが実現しようとしていることで、システム開発会社は、装置としてのシステムを1から作り上げて提供するという商売から、徐々にシステムによるサービスを提供する商売に移行すべきなのではないか、ということです。

奇しくもSOA(サービス指向アーキテクチャ)という言葉があります。この言葉の本来目指すべきところは、まさにこの「システムによるサービスを提供」するということに尽きるのではないのでしょうか?

なぜ毎回0からシステムを作り上げなければならないのか。それを不思議に思うことから、私は「システム開発会社は製造業ではなく、サービス業であるべき」と考えている、という次第です。

タグ 会社

シエスタ

コメントは受け付けていません

投稿日:2007年04月03日 作成者:yasunaka

会社ではシエスタを推奨しています。

ソファーベット

眠いときにはちょっと寝て、しゃきっと集中して仕事をしたほうが全体の効率はよっぽど高くなるはずだ、と思っております。(はてはの近藤社長の真似でもありますけどね。)

タグ 雑談

私の履歴書

コメントは受け付けていません

投稿日:2007年04月03日 作成者:yasunaka

今月の日本経済新聞朝刊の「私の履歴書」はセブン&アイ・ホールディングス会長の鈴木敏文さんです。私は日経新聞をこの「私の履歴書」を読むために取っているといってもいい程、毎朝この欄を楽しみにしているのですが、今月の鈴木敏文さんの「履歴書」は待ってました!と言いたくなる程うれしい企画です。少なくとも私はコピーをとって永久保存版にします。

最近「見える化」流行りでシステム開発にトヨタ流を導入するという話を良く聞きますが、私はシステム開発会社が見習うべきなのはむしろセブン・イレブンではないかと考えています。もちろんトヨタ流を否定するわけではありません。システム開発を製造業だと捉えるとトヨタ流に学ぶべき点が多いのは事実です。一方セブン・イレブンはコンシューマ向けのサービス業なので、B to Bの形態の多いシステム開発会社の人にセブン・イレブンといっても?という反応をされてしまうのが落ちです。しかし私の持論は、システム開発会社は製造業ではなく、サービス業であるべきだと考えています。もしそうだとすれば、サービス業の1つの頂点の形態として、セブン・イレブンに学ぶべき点は非常に多いのではないでしょうか?

セブン・イレブンの収益性は他のコンビニエンスストアと比較して群を抜いています。同じようなことをしているのに、また同じような人たちがやっているのに、なぜセブン・イレブンだけがこんなに強いのか。その強さのわけは最初に紹介した鈴木敏文さん流のセブン・イレブンの文化にあるといえます。

勝見 明著の本『鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」』(プレジデント社)では、このセブン・イレブンの文化として、例えばパートやアルバイトまで巻き込んだ、シンプルなプロセス「仮説・検証」を一貫して実践している、とか、顧客の立場に立ってものを考える(顧客の心理を読む)とか、常識を鵜呑みにしないなどといったことが紹介されています。これと連動する形で徹底した単品管理、商品の売れ行き予測、徹底したフランチャイズの教育などが行われています。こういったことをまとめて統計学と心理学をベースにした経営と紹介されるようです。

単純にシステム開発の立場で見てみるとぜんぜん別世界の話のように思えるかもしれませんが、顧客のニーズ、心理を捉え、如何に顧客ロイヤリティーを得るか、また仮説・検証などといった文化を如何に末端まで浸透させるかという観点で考えた場合、重要な示唆がたくさん含まれていると思えるのです。

具体的な内容についてはまた後日ということで。

タグ 会社

駅そば

コメントは受け付けていません

投稿日:2007年04月02日 作成者:yasunaka

会社の前から駅のほうに向かってとった写真です。

会社から駅まで

三角形の屋根の辺りから階段を降りたところに駅があります。先日ちょうどそのあたりで「深キョン」がドラマを撮っていました。

タグ 雑談

プロジェクトを確実に破綻させる方法 その3

コメントは受け付けていません

投稿日:2007年04月02日 作成者:yasunaka

プロジェクトを確実に破綻させる方法としてご紹介する3つ目は、「曖昧プロセス」です。システム開発の開発プロセスが定義されているというのはすばらしいことなのですが、きちんと運用されていない場合にはかえって弊害になるという話です。

最近ではユーザ企業側でも自社の開発プロセスがきちんと定義されているところが多いです。これ自体は悪いことではありません。そしてシステムを開発する人・チームが常に同じであれば、長年の付き合いの中でそれらのプロセスは自然に理解され、伝承されていくでしょう。しかし、人は入れ替わるものです。またパートナー会社が変わるということもあります。

問題はそうしたときにドキュメントに書かれた開発プロセスに具体性が無く、実際の運用においてどうすべきかが曖昧な場合に発生します。ドキュメントにはいいことが一杯書いてあるんです。でもじゃあ、このときには何をどうしなければならないのか、っていう具体的な進め方が曖昧だと、プロセスについての議論が沸騰して、実際のプロジェクトが進まなくなる、なんていう馬鹿馬鹿しい経験をした人って多くありませんか?

ある意味、プロジェクト推進者が「ものがわかる人」ならば柔軟な対応で問題にはならないのですが、逆に厳密さを追求するタイプの人だと最悪です。

そもそもユーザ会社の開発プロセスって、せいぜい1つか2つのタイプしか定義されていないことが多く、その中でさまざまなタイプの開発を網羅しようとしているので、プロジェクトの種類によっては意味を成さないような項目が並んでいることが多いと思うのです。でもそのような場合にどれは行ってどれは行わないっていうことが曖昧だと、開発者側がそれに右往左往される。先に述べた「伝承された」人達にはここのあたりのことは自明だと思い込んでいるのですが、それがさらに曖昧さの入り込む原因になっているのです。

盛り込みすぎたプロセスも曖昧になりやすいです。プロセス定義書だけで厚さ?センチなんてものは、おそらく運用不可能です。で、結局これはやる、これはやらないなんてことが現場で判断せざるを得ない。ところがこの判断のやり方に明確な基準が示されていないと、人によってやったり、やらなかったり、となるわけです。この状態で先に述べた、厳密さを追求するタイプのプロジェクト推進者がいたりすると、開発プロセスを守るためだけの作業に時間を食われ、プロジェクトは確実に破綻します。

本来開発プロセスはプロジェクトをうまくまわすためのツールであって、それ以上のものではないはずです。目的と手段を取り違えないよう気をつけていれば、この手の問題は起こらないはずなのですが、みなさんのところはどうでしょうか?