私の履歴書

投稿日:2007年04月03日 作成者:yasunaka

今月の日本経済新聞朝刊の「私の履歴書」はセブン&アイ・ホールディングス会長の鈴木敏文さんです。私は日経新聞をこの「私の履歴書」を読むために取っているといってもいい程、毎朝この欄を楽しみにしているのですが、今月の鈴木敏文さんの「履歴書」は待ってました!と言いたくなる程うれしい企画です。少なくとも私はコピーをとって永久保存版にします。

最近「見える化」流行りでシステム開発にトヨタ流を導入するという話を良く聞きますが、私はシステム開発会社が見習うべきなのはむしろセブン・イレブンではないかと考えています。もちろんトヨタ流を否定するわけではありません。システム開発を製造業だと捉えるとトヨタ流に学ぶべき点が多いのは事実です。一方セブン・イレブンはコンシューマ向けのサービス業なので、B to Bの形態の多いシステム開発会社の人にセブン・イレブンといっても?という反応をされてしまうのが落ちです。しかし私の持論は、システム開発会社は製造業ではなく、サービス業であるべきだと考えています。もしそうだとすれば、サービス業の1つの頂点の形態として、セブン・イレブンに学ぶべき点は非常に多いのではないでしょうか?

セブン・イレブンの収益性は他のコンビニエンスストアと比較して群を抜いています。同じようなことをしているのに、また同じような人たちがやっているのに、なぜセブン・イレブンだけがこんなに強いのか。その強さのわけは最初に紹介した鈴木敏文さん流のセブン・イレブンの文化にあるといえます。

勝見 明著の本『鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」』(プレジデント社)では、このセブン・イレブンの文化として、例えばパートやアルバイトまで巻き込んだ、シンプルなプロセス「仮説・検証」を一貫して実践している、とか、顧客の立場に立ってものを考える(顧客の心理を読む)とか、常識を鵜呑みにしないなどといったことが紹介されています。これと連動する形で徹底した単品管理、商品の売れ行き予測、徹底したフランチャイズの教育などが行われています。こういったことをまとめて統計学と心理学をベースにした経営と紹介されるようです。

単純にシステム開発の立場で見てみるとぜんぜん別世界の話のように思えるかもしれませんが、顧客のニーズ、心理を捉え、如何に顧客ロイヤリティーを得るか、また仮説・検証などといった文化を如何に末端まで浸透させるかという観点で考えた場合、重要な示唆がたくさん含まれていると思えるのです。

具体的な内容についてはまた後日ということで。