投稿日:2008年05月16日 作成者:yasunaka
本日、crossnoteをver 1.1.6にバージョンアップします。今回のリリースの目玉は 「crossnote API」です。いま流行りのSOAによるAPIです。どのようにこれを使うのか、ご説明しましょう。
テーブル定義をcrossnoteの表を用いて書くと、テーブル定義の変更をしたときにプロジェクトメンバに対して、どのカラムの何をどう変えた、ということをきちんと伝えることができるようになります。テーブル定義の変更がきちんと連絡されず、思わぬところでバグが出てしまった、という経験をお持ちの方は多いと思いますが、crossnoteの表でテーブル定義の管理を行えば、そのような心配をかなり減らすことができます。
しかし一方で、今までのcrossnoteではcrossnoteの表で作ったテーブル定義から自動的にDDLを作成するといったことができませんでした。いちいちExcelにコピーして、Excel側でマクロでDDLに変換するというのはいまいちです。
そこでcrossnote APIの出番です。crossnote APIではcrossnoteにコミットされているドキュメントの表の値を直接取り出すことができるようになりました。crossnote APIはSOAPベースのWeb APIで、今回提供するJavaのライブラリーを使うことで、ドキュメントの表の値を取り出して、それを元にJavaプログラムで加工して取り出すようなことが簡単にできるようになります。
この機能を用いれば、上記の用にcrossnoteの表でテーブル定義を行い、それをJavaプログラムで加工してDDLに変換するといったことができるようになりました。サンプルコードもご提供しますので、後はそれを参考にすれば、たとえばcrossnoteで作成したメッセージ定義書から自動的にプロパティファイルを作成する、なんてものも簡単にできます。
しかもこのAPIでは、Excelからも同じようにデータを取り出せるようになっています。例えば複数のプロジェクトでそれぞれが進捗管理のExcelシートを抱えているのだけど、毎週報告の度にそれを1つのExcelシートにコピー&ペーストを繰り返して転記するのが大変だ、のような場合に、このcrossnote APIを使えば自動的にそれらのExcelシートの必要部分を取り出して1つにまとめる、といったプログラムも簡単に作れるようになります。
crossnote API、ぜひお試しください。
なお今まで頻繁にバージョンアップを重ねてきましたが、機能もだいぶ揃い、かつ安定度も増してきましたので、今回のリリース以降はバージョンアップの間隔を延ばす予定です。
投稿日:2008年05月07日 作成者:yasunaka
5月3日にMicrosoftがYahoo!に対する買収提案を取り下げた、というニュースが流れていました。やっぱり根底にあるのは、Yahoo!としてはMicrosoftに飲み込まれてしまうのがいやだったのではないかと私は勝手に推測してしまいました。
会社は誰のもの?という問いかけに対して、「株主のもの」という教科書的な答えだけで考えるとMicrosoftの提案に乗って巨額の利益を得たほうがよかったのかもしれません。でも会社は営利組織であっても、単に「金儲けだけのための存在」ではありません。社員や創業者たちの特別な思いが詰まったものでもあり、さらにはさまざまな社会的責任がある器でもあります。
新しいIT企業はみな、何らかの形でMicrosoftを目標にしているのではないでしょうか? ITの業界でもっとも成功した企業であるだけに、Microsoftを抜くことを究極の目標に掲げて励んでいる会社も結構あるのではないでしょうか?
Yahoo!もネット企業の雄として、Microsoftを目標に掲げてきた部分があるのではないでしょうか? そうやって頑張ってきている社員達がいる中で、いきなり飲み込まれしまう、というのも割り切れない思いがあるのではないかと、私は勝手に推測しています。
投稿日:2008年04月25日 作成者:yasunaka
来週月曜日にcrossnoteをVer 1.1.4にバージョンアップします。ここのところほぼ毎週バージョンアップしていますが、今回の目玉は次の2つです。
■ 参照リンクに対応します
■ Excelシートなどを直接、新規作成できるようにします。
crossnoteドキュメントにはいままで参照リンクの仕組みがなかったのですが、ようやく今回のバージョンで対応します。この参照リンクとは、文章中で「3.4 ほげほげ の章を参照してください」と書きたいときに、「3.4 ほげほげ」を参照リンクとして差し込めば、ダブルクリックでその位置にジャンプするようになります。
crossnoteの参照リンクは、Wordなどと違って同じドキュメントだけでなく、他のドキュメントへの参照リンクが作成できることが特徴です。しかも、他のドキュメントの構成が変わってパラグラフや図表などの番号やタイトルが変わった場合、参照リンクの番号やタイトルも自動的に更新されます。なのでドキュメント間での参照が多い場合には特にお勧めの機能です。
なお参照リンクにはURLも指定可能です。この場合にはブラウザが開きます。
そしてもうひとつの目玉が、新規作成のメニュー機能の変更です。今まではExcelファイルをcrossnoteで扱おうと思った場合、いったんデスクトップなどで作った上で取り込むといったようなことが必要だったのですが、今回の対応でExcelやVisioのドキュメントを直接crossnoteのメニューから作成できるようになります。(あ、もちろん対応するアプリケーションがインストールされていないと、参照や編集はできませんよ)
新規作成メニューは設定画面の「新規作成」のところで好きなアプリケーションが選択できるようになっています。(と言ってもあらかじめこちらで仕込んだアプリケーションしか選択できません)
なおこの新規作成メニューの変更は、今後の新しい新機能(?)への「布石」です。お楽しみに。
投稿日:2008年04月04日 作成者:yasunaka
この1週間、少しずつcrossnoteのホームページを書き換えています。以前のcrossnoteのホームページは文字ばかりで、わかりにくかったのを反省し、できるだけ図を多く入れて説明するようにしました。またcrossnoteの動いている様子も見れるようになっています。
crossnote
ぜひご覧ください。
投稿日:2008年04月03日 作成者:yasunaka
さて先日、Ver 1.1.0のリリース時に見送ったもうひとつの目玉機能「Q&Aの管理機能」ですが、おそらく明日(4/4)にリリースできると思います。(本当は今日のつもりだったのですが、いろいろな都合で1日延ばしました)
Q&Aの管理機能というと、単にQ&Aのやり取りの一覧表のことだけ、と思われてしまいますが、実はこれが大きな将来性を持っていると考えています。なぜならば、これで細かいTODOを管理できるようになってくるからです。このTODOは、要件管理で扱う要件よりはもっと粒度の細かい、ちょうどプログラミングをする際にソースコードに書くTODOに相当するようなものです。
TODOは結局のところ、いつまでに、誰が、何をするかというだけのことです。今まではTODOをPCのディスプレイに付箋紙で張り付けたり、プリントアウトしたドキュメントに付箋紙をつけたりしていたと思いますが、これだと期限までにちゃんと仕上げたかどうかが確認できません。またみんなで共有することもできません。
ディスクトップ上で付箋紙が使えるアプリケーションもありますが、本当に付箋紙を張りたい対象は、作業している対象そのもの、たとえばドキュメントを書いている場合にはドキュメントにTODOを書き込めれば便利なはずです。そうすることで、みんなでTODOを共有することができますし、ドキュメントを見れば、なにが「やりかけ」なのかが一目瞭然になります。
そしてプロジェクト全体でどんなTODOがあって、予定を過ぎているものはないかとか、誰か特定の人がボトルネックになっていないか、などを確認するために一覧機能を利用します。こうすることで、TODO全体をプロジェクトで管理することができるようになってきます。
明日のリリースをお楽しみに。(と言っておいて、リリースできなかったらまずいね。:lol:)
投稿日:2008年04月01日 作成者:yasunaka
昨日、Ver 1.1.0をリリースし、Word 2007形式でのエクスポートができるようになりました。
本当は同時に、「もうひとつ目玉機能」をリリースしようと目論んでいたのですが、どうしても間に合わなかったため、そちらのリリースは機会を改めることにしました。(でも近日中にリリースします)
さて、このもうひとつの目玉機能とは、Q&Aの管理機能のことです。今までcrossnoteではドキュメントにコメントを付与することでメールのように関係者に内容を伝えることができました。が、これだけではプロジェクト管理の観点で考えた時、もしそれが質問の場合、いつまでに、誰がその質問に答えなければならないのかを管理することができませんでした。
で、次回のQ&A機能のリリースでは、今までのコメントとは別に、まさにQ&A(質問と回答)を管理できる仕組みを用意する予定です。この機能を用いることで、以下のような事項が管理できるようになります。
状態(OPEN, CLOSE, …)、カテゴリー、重要度
回答期限、回答すべき人、…
質問は今まで通り、ドキュメントに紐付けて質問することもできますし、ドキュメントに紐付かない形での質問もできるようになります。
皆さんに使ってもらえるとうれしいです。
投稿日:2008年03月31日 作成者:yasunaka
ドキュメント指向コミュニケーションの話では今までドキュメントに書けば、それを効率的に関係者に伝達する仕組み、という側面ばかり説明してきましたが、もうひとつ特徴的なこと(?)を書いておきます。それがタイトルの「メールをドキュメントに添付」という考え方です。
普通は逆ですね。メールにドキュメントを添付する、です。これはメールが主で、ドキュメントが従の関係です。この方法はメールを用いているので、使いやすく手軽である、という点がポイントです。
問題は、3点あります。
1)ドキュメントの最新版がどれなのかがわからなくなる
ドキュメントの実体をメールに添付してしまうと、やり取りを繰り返しているうちにどれが最新版だかわからなくなってきます。
2)メールボックスの容量を食う
ドキュメント分だけメールボックスの容量を食ってしまうため、メールボックスが肥大化し、管理上いろいろな問題を引き起こします。
3)送られてきたメールをどうやって分類するか?
メールはそのままにしておくとどんどんたまっていきます。後になって、「あ、あの件どうだったっけ?」と思って参照しようとしても、探すのに一苦労です。
上の2つの問題点は実はドキュメントのリンクを添付するようにすることで解決可能なのですが、この3番目の問題はリンクでは解決しません。
さて、以上のような問題点を魔法のように解決する方法、それが、「ドキュメントにメールを添付する」という考え方です。ドキュメントは1か所で管理するので、どれが最新かで悩むことはありませんし、メールボックスの容量を食うこともありません。またドキュメントは最初から分類されているので、メールを分類する手間がかかりません。
これによりフローの情報(メールの情報)を自動的に分類して蓄積できることになります。
このように発想を逆転させ、ドキュメントを「主」、メールを「従」の関係にすることで、コミュニケーションが効率化できるわけです。
投稿日:2008年03月28日 作成者:yasunaka
3月末と言っていたWordへの出力対応ですが、3/31(月曜日)にリリースします。今までのcrossnoteは出力形式がプリントアウトするか、HTMLへの出力のいずれかしかなかったため、PDFにはプリントアウトで対応できるものの、修正できるフォーマットで出力できるようにして欲しい、という要望が以前よりありました。
特にMS Word形式での出力を望む声が強くありました。理由はこのようなところです。
■ お客様より改変可能な形式でのドキュメントの提出を求められている。(お客様側で、直接ドキュメントの修正ができるようにしておくため)
■ SaaS形式での提供の場合、いざという時に中のデータをすべて持ち出して利用できるようにしておかないと心配。
それで、3月末までにWord対応をお約束していましたが、お約束通りリリースできる運びとなりました。
今回のWord対応とは、Office Open XML形式での出力です。つまりWord 2007フォーマットですが、Word 2003でもMicrosoftのWord/Excel/PowerPoint 2007 ファイル形式用 Microsoft Office 互換機能パックをインストールすることで、読み書きできるようになります。
Word 2000/97フォーマットとしなかった理由は、Word 2000/97フォーマットは仕様が完全に公開されたものではないため、図形などのデータを正確に変換しようとした場合、非常に困難であったためです。Open Office XML形式は仕様が公開されているので、今後もきちんとした対応が可能であると考え、こちらで対応することにしました。
なお、ODF(Open Document Format)対応については検討中です。
今回のリリース(3/31)ではこのWord対応と同時に、もうひとつ目玉機能をリリースします。そのため、Version表記を1.0から1.1へ上げる予定です。
投稿日:2008年03月24日 作成者:yasunaka
ドキュメント指向コミュニケーションとは、以前Collaborative Documentation Serviceと呼んでいたものとほぼ同じものです。Collaborative Documentation Serviceという言い方だと、何が出来るようにするためのものかがはっきりしませんでした(そもそも何のことだかよく分からん、というのもありましたが)。
ドキュメント指向コミュニケーションはその名の通り、「コミュニケーション」、つまり相互に理解し合うようにやり取りをすることが目的です。そのコミュニケーションを「ドキュメント」を元に行ってしまおう、という考え方です。
通常、例えばAさんとBさんがいて、AさんがBさんにメールで何か仕様に関することを伝えようとしているとします。この場合、Aさんが書くメールには、AさんとBさんの共通認識になっていることは書かずに、共通に認識されていないことを書くと思います。
AさんとBさんの共通認識になっていることは、ドキュメント化されているとしましょう。そしてAさんとBさんの共通認識になっていないこと、これがドキュメントの「変更差分」です。Aさんがドキュメントに書き加えたこの「変更差分」を自動的にやり取りできるようにすることで、コミュニケーションが取れるようにしてしまおう、という考え方がドキュメント指向コミュニケーションです。
もちろん「変更差分」は結果を通知するだけなので、互いの考えを表明しあう検討段階のやり取り(私はこう思う、のようなもの)はメールのようなフロー型の情報のやり取りで行うのが自然です。ドキュメント指向コミュニケーションにおいてもこのようなフロー型の情報のやり取りは必要で、例えばcrossnoteではコメントや質問の機能が相当します。
ただこの場合でも、ドキュメント指向というからには、それらのフロー情報もドキュメントに紐付いているわけで、後でドキュメントを参照すればそれらのフロー情報のやり取りも同時に参照できるようにすべきです。このように紐付けしておくことで、ドキュメントと一緒に、フロー情報としてやり取りされた非常に有用なナレッジが蓄積されることになります。
わたしはできるだけ多くの人に、「ドキュメント指向コミュニケーション」という考え方を理解してもらえるようにしていきたいと思います。
投稿日:2008年03月21日 作成者:yasunaka
今までcrossnoteを一言で説明する言葉として、crossnoteとは「ネットワーク・ワープロ」と説明してきましたが、正直どうもしっくりきていませんでした。周りにも「?」という反応を示す人がいましたし、また「ワープロ」という言葉を協調してしまうと「ワードとどこが違うの?」という反応が返ってきたこともありました。
そこで、いろいろと考えた結果、「ドキュメント指向コミュニケーション・ツール」(Document Oriented Communication Tool)という言い方に変更することにしました。また以前Collaborative Documentation Serviceと呼んでいたものも、同じく「ドキュメント指向コミュニケーション」と呼ぶことにしようと思います。
crossnoteはワープロ機能をフロントエンドにしていますが、ポイントはコミュニケーション機能にあります。ドキュメントを書くことと、知識を共有するためのコミュニケーションをとること、この2つのことを同時に行ってしまおう、という考えが基本です。
だからワープロではなく、コミュニケーション・ツールなのだ、と。そして、コミュニケーションをドキュメントを元に行うので、ドキュメント指向コミュニケーションというわけです。