投稿日:2009年11月30日 作成者:yasunaka
ちょっと気になるニュースが。
Office 2010では同時編集機能やビデオ編集も強化
Office 2010ではSharePoint Serverの連携することで、「Word 2010を使った共同編集では、段落単位のロック機能で、リアルタイムの共同作業が可能になった」らしい。Officeがcrossnoteに近づいてきた!?
まあ共同編集といってもだいぶ違う感じですね。Wordはロック方式なのに対し、crossnoteはコンカレント編集。つまり、crossnoteはそもそもロックなどしないでも同時に編集できてしまうということ。これはWordとは異なり、文章のアウトライン構造を別に持っているのでできる技です。
一方、Wordはロックした部分は「リアルタイムの共同作業」と言っている。ということは、おそらくGoogle waveを意識した物なのではないでしょうか?
Wordもどんどん進化していますが、過去との互換性という点で、ドキュメント構造がドラスティックに変更される、というのは無理なんじゃないかな? なので、今回のやり方が精一杯なのかもしれない。
そしてもう一つ、大きな違いは、Wordの共同編集がSharePoint Serverを前提としていること。一方のcrossnoteははじめからインターネットをベースにしたシステム。
SharePoint Serverを前提にするというのは、私にはかなりのハンデに思えます。なぜなら、SharePoint Serverをインターネット上で運用するってのは、考えにくいから。
そもそもActive Directoryをインターネット上の公開ゾーンで運用している例もあまり聞かないし。SharePoint Serverを前提とすると、通常はVPNを使ったクローズドな環境での運用になる。(やってやれないことはないと思うけど、結局やっている人がほとんどいない、という事実がすべてを物語っていると思います)
つまり、会社などの組織を超えた連携には、非常に使いずらいはずです。なんでWindows Live!を前提にしないのでしょう??? いずれそういうのを出してくるのでしょうか? でもそうすると、Windowsサーバが売れなくなるので、痛し痒しなのかも…
まあ、そういった出発点の違いが、いずれ大きな差になるはずだと、勝手に思っています。 😀
投稿日:2009年11月15日 作成者:yasunaka
私はブラウザにはfirefoxを使うことが多いのですが、自分のPCを起動した後、必要な数種類のアプリケーションを起動したとき、もっともゆっくり立ち上がってくるのがfirefoxです。なんとEclipseのメイン画面(ランチャーとかワークスペースの切り替え画面ではなく)が立ち上がるよりもかなり遅いんです。(ちなみにOSはWindows XP SP3)
ちょっと信じがたい。
過去履歴の保存日数を短くしてみたり、SQLLite Managerを入れてインデックスを最適化したりなど、ある程度のことはしているのですが、それでもやっぱり遅い。(もちろん最新版にアップデートしています。)タスクマネージャーで起動時のプロセスの様子を確認していると、なかなかメモリの割り当てが増えていかず、時間がかかっているのがわかります。
これに比較すると、例えばGoogle chromeは圧倒的に起動が速い。同じ状況下でも、もっと早く起動します。やっぱりfirefoxに何か問題があるとしか思えません。
昔、firefoxのデビュー時には、軽くてすぐ立ち上がって使えるというのが売りだったと思います。確かにその当時はIEに比べて起動が圧倒的に早かったイメージがあるのですが、今はどうなんでしょう、状況によっては負けているのではないでしょうか? おそらくver 3.0以降急激に起動が遅くなった気がしています。たぶんver 3.0からDBを導入しているようですが、これが起動時間に響いているのかもしれません。
もちろんGeckoエンジンのレンダリングはそれなりに早いのかもしれませんが、起動して使用できるようになるまでにかかる時間の方が、ホットスタンバイ状態でのレンダリングの早さよりも人間の印象に強く影響すると思うのです。Google chromeは、やはりその点がわかって設計しているっていうのが強みだと思います。
firefoxの「売り」は何だったのかをMozillaは忘れていないと良いのですが。やたら肥大化して重くなったNetscapeと同じ道を歩まないように、もう一度進化の方向を考えてみるべきではないかと思っています。
投稿日:2009年11月05日 作成者:yasunaka
昨日のテレビ東京のWBSではクラウドを取り上げていました。内容はクラウドの落とし穴的な内容で、もうクラウドとはなんぞや、という話よりはむしろ、クラウドが実際に導入するとなると、問題になるのは何か?という話でした。
いやはや、もうクラウドの知名度はだいぶ上がっている、ということのようですね。それはさておき。
WBSで取り上げていた問題点は、こんなところでした。
・止まってしまったり、バックアップされていないリスク
・データ流出や継続性などのリスク
・海外にデータを保管することのリスク(法律面など)
WebCastでは触れられていませんが、番組での最後で、中小企業や個人には普及するだろうが、大企業が使えるようにするにはカスタマイズのコストなども含めると意外と高くつく、のようなまとめ方がされていました。
リスクとしてあげられている内容はいずれも、「信頼性」に関わる事項です。要は、現状のクラウドというのは大企業が使うための信頼性がまだ不十分ではないのか? ということなのでしょう。
でも、それはクラウドというと何か耳慣れない、全く新しい概念が飛び込んできたことによる、拒絶反応に過ぎないのかもしれません。クラウドというのも、ビジネス的な観点でよくよく考えてみれば、これは一種のアウトソーシングと考えることができます。
アウトソーシングは徐々に浸透しており、大企業でも様々な形でアウトソーシングが行われている現状を考えると、上記の信頼性という問題を乗り越えるのも時間の問題ではないでしょうか?
クラウドはコストが安いため、中小企業や個人には普及する、という説明もよく聞きますが、私はこの説明も少々?です。コスト面のメリットがあっても人々が飛びつくとは限らない、というのはOpenOfficeなどの無償ワープロソフトがなかなか一般には普及していない、という現状をみれば明らかだと思います。
ではクラウドはどんなところで普及するのか? 私の持論としては、クラウドが得意な分野では自然に普及するだろう、という、ごく当たり前なことです。
たとえば企業間を結んだサプライチェーン的なシステムは、クラウドの利用にぴったりなはずです。今までは専用線を使って、大きなシステム投資を行って始めて実現できていたような上記の仕組みは、クラウドで実現した方がよりスマートで、中小の会社や個人も含めた真のBPRを実現するものになるはずです。また他にも、企業間・地域間をまたいだプロジェクト管理やプロセス・マネージメントなどにもぴったりかもしれません。
投稿日:2009年10月02日 作成者:yasunaka
普段仕事でMacを使うことはありませんが、家にはiMacがあります。家内や子供達はもっぱらiMacを使っています。私自身は大昔はMac派だったのですが、仕事では使えないので、今ではほとんどMacを触ることはなくなりました。
でも家のiMacの管理者は私なので、たまにバージョンアップをするためにログインして使うのですが、最近使うたびに、「早い!」と驚いています。Macってこんなに早かったんでしたっけ?
バージョンアップとかも結構な大きさのファイルをダウンロードしてインストールするわけですが、むちゃくちゃ早い。Windowsで同様の作業をやった場合と比較して、感覚的には数十倍早く終わっている気がします。WindowsのUpdate siteが混んでるせいもあるのかもしれませんが、使う側からすればそれも「込み」でのパフォーマンスです。
それにログインからの起動や終了も早い。アプリケーションもさくっと立ち上がってさくっと終わるから、待たされない。昔はむしろWindowsの方が何でも早かったイメージがあったのですが、ファットになってしまったWindowsがどんどん遅くなる一方、Macはどんどん早くなって、今では逆転してしまったのではないでしょうか?
Windows 7ではどうなのでしょうか? 社員が試しているのですが、最初は結構早いといっていたものの、すぐになんとも思わなくなった、と言っています。でもVistaよりはだいぶ「まし」なんですよね。期待しているのですが…
コンピュータのスピードは車の燃費競争と同じで、特定の状況における最速値で勝負してもあまり実体と合わない気がしています。Windows 7とMacで、「普段使う」という観点で比較すると、どんな結果になるのでしょうね?
投稿日:2009年09月14日 作成者:yasunaka
いや、Windows Updateが悪い、と言いたいわけではないのですが、ここのところWindows Updateがラッシュ状態で、ちょっと参っています。
営業用でたまに使っているVistaのノートPCがあるのですが、このたまに必要になって取り出してきて使う、という使い方、そしてノートPCというのがポイントです。この「たまに必要になって」取り出してきた時には、まず必ずWindows Updateが走るんですね。
これ、もしデモ中に走ると大変な目に逢いますよ。(逢いました)
バックグラウンドでWindows Updateが動いていると、それだけで動きがトロくなりますからね。E-Mobileでつなげていたりすると、回線が勝手に使われて、通信が劇的に遅くなるし。しかもご丁寧に、勝手にリブートしたりする。最高です。
だからデモを行う前日には必ず確認の意味を含めて、ノートPCのスイッチを入れてWindows Updateを走らせておくのです。
しかも、このWindows Updateが遅い! 時間がかかりすぎ! 今も横でUpdateが走っているのですが、もう、かれこれリブート4回をはさみ、2時間近くかかってまだ完了していません。なんなんだこれは… 嫌がらせに近いものを感じます。
そして実際、こうして散々待たされてアップデートされた機能のうち、実際に使っている機能がどの程度あるのか、ということを考えた場合、さらに悲しい気持ちになります。
セキュリティのためにはWindows Updateは欠かせないものですが、なんていうか、もう少しどうにかならないものでしょうかねぇ。
# と、こうしている間に、3度目のWindows Updateが動き出しました。
# もうやだ。
投稿日:2009年09月13日 作成者:yasunaka
ITの用語には他の業界の言葉を取り入れたものがいくつかあります。でもあまり定着したものは無い気がします。例えばWebサーフィン。これはもう恥ずかしくて、誰も使いませんね。
少し前、Webサービス(API)を組み合わせて新しいサービスを作る場合のことを表すマッシュアップという言葉が流行ったと思います。マッシュアップは元々は音楽業界の言葉だそうで、異なる曲のボーカルトラックとオーケストラトラックを重ね合わせることで、面白い効果を作り出すことのようです。その方法と(少し)似ていて、かつ音楽と絡めることでなんかかっこよく聞こえる、ということで、取り入れられた言葉なのかもしれません。
さて、なぜWebのマッシュアップは結局あまり騒がれなくなってしまったのでしょうか?以下のような理由が考えられると思います。
1.思ったほど効果的なアプリケーションが実現できなかった
2.元のAPIを利用するにはさまざまな制限があり、ビジネスとして成り立ちにくかった
でも、実際に検討する立場になるとわかるのですが、もし2の制限がもっと緩いものであれば、もっと効果的なアプリケーションが次々と作られていたかもしれません。現状では、マッシュアップは趣味でお楽しみアプリケーションを作るレベルならいいのですが、商用利用するようなアプリケーションは、2の制限でなかなか実現しづらいのです。
まあ提供する側の論理からすれば、勝手に使われてしまう以上、そこに商業利用する際の制約を入れるのは自然な成り行きだと思いますが、結果としてそれが利用されるフィールドを狭めることになっているのではないかと思えます。かくして、マッシュアップは廃れたのでしょう。
しかし昔からのITにおける大テーマ「再利用(リユース)」という観点で考えた場合、Webサービスというのはコンポーネントとして最適な粒度であり、かつ手軽に利用しやすい形態という意味では、もっと活用すべき技術のはずです。今までのマッシュアップというと、どちらかというとユーザーインターフェースに近い、利用する末端における組み合わせばかりが目立ちましたが、もっといろいろな階層でWebサービス同士の組み合わせが実現できれば、社会全体を巻き込むような、より面白いものが出来る可能性があると思います。
ビジネスとして成り立たせるという意味では、インフラとして誰でも好きな形態で利用可能なWeb APIというのが必要なのかもしれません。そしてそのインフラを利用するための、フェアな課金の仕組みがあってもいいような気がします。
投稿日:2009年08月13日 作成者:yasunaka
なんじゃこりゃっていうニュースですね。Yahoo!のトップにもなっている。
マイクロソフトに「Word」の販売差し止め命令 — 米特許侵害訴訟
元のUSの特許のページを途中まで読んでみたんだけど、長いんで挫折しました。そういった意味ではよく分かっていないんだけど、フォーマッティングのためのmetacodeをcontentsと分けて管理し、その間を対応表で管理するという方式についての特許らしい?と読み取りました。
まだ半可通な理解なので偉そうなことはいえないのですが、なんでこんなのが特許とれるんだ、と本気で思います。特許って有意義な発明について、発明者の権利を保護しながら広く皆に使ってもらうことが本来の目的のはずで、こんなアーキテクトだったら誰にでも考えつくようなレベルのことにでも認めていたら技術の進歩の阻害要因でしかないわけですが、ソフトウェアの世界では現実問題としてこんなことが良く起こっている。
というのも、ソフトウェアというものが特許審査においてきちんと評価しきれていないことに問題があるのかもしれません。現在の審査機関では、果たしてソフトウェアの新規性を正しく評価できるのでしょうか?
例えば(特許にはなっていないけど)世界を変えたという意味で、WorldWideWebなどは本当は特許になっていてもおかしくない内容だと思います。でもTim Berners-Leeさんは「社会全体への貢献を第一に考え、特許を一切取得せず使用料も徴収しなかった(Wikipediaからの引用)」そうです。うーん、偉い。
この記事を見て、ソフトウェアの特許ってどうあるべきなのか、より明確な指針やコンセンサスが必要だと感じました。
投稿日:2009年08月05日 作成者:yasunaka
昨日の日経のトップがクラウドに関するニュースだったことを昨日のブログに書きましたが、今日からその日経の企業面で、「企業とIT クラウドが変える」というタイトルで特集が組まれています。一般のビジネスマンにもクラウドという概念を浸透させるための啓蒙活動としては、非常に良い試みだと思います。
その特集には米ガードナーによる、クラウド型で利用される主な業務ソフトの成長率予測が載っています。これによると、クラウドでの利用が一番進むと予測している分野に、ワープロなどのオフィスソフトが上げられているのですが、これには少々驚きました。多分Google docsなどを想定してのことだと思うのですが、一方でこんな記事もあります。
Google AppsはMicrosoft Officeにとって脅威か?
Microsoft Officeもホスティング型でのサービスを開始しようとしているので、必ずしもGoogle Apps VS Microsoft Officeがクラウド型 VS オンプレミス(社内保有)型 という構図ではないのですが、そうは言ってもMicrosoft Officeにとって今までのオンプレミス型での提供がメインストリームなはずです。言わずもがな、ワープロ分野におけるクラウド VS オンプレミスの構図に見えます。
ちなみに上記のリンクの記事では、「クラウドベースのアプリケーションはまだ企業環境で利用できる段階には至っていない」ことを主張しています。この主張を組み入れると、ガードナーの予測とはだいぶ異なる予測になりそうです。
どちらの主張が正しいかは、今後の展開を見てみなければわかりません。ただ一つ言えることは、世の中は動いている、ということだけです。
投稿日:2009年08月04日 作成者:yasunaka
今朝の日経新聞のトップに『「クラウド」普及へ投資 企業システム費、大幅減』と、富士通や日立がクラウド・コンピューティングの普及をにらんでデータセンターを新設する、というニュースが載っていました。
日経トップですよ。他にニュースが無かったのでしょうが、それにしてもクラウドの話が日経のトップになる時代が来たのですね。クラウドという言葉がそれなりに普及してきたという証です。
ちなみにこのブログでクラウド・コンピューティングを最初に取り上げたのは2007.12なので、わずか1年半ちょいぐらい前です。そのときには「あ?、また新しいバズワードが増えたか?」的な部分も多少あったのですが、それがここまで普及した言葉になってきたので、少々驚いています。
今では全く聞かなくなったWeb2.0という言葉と比較した場合、Web2.0は雰囲気のような、非常に曖昧とした概念に過ぎなかったのに対し、クラウドは巨大なビジネスに発展しそうに思える分、だいぶ言葉の重要度が異なるように思えます。
後は実際の企業での利用がどの程度普及するかにかかっていますね。まだまだサーバを自社に置かなければならないというセキュリティポリシーの縛りがある会社が多いと思います。クラウドを本格復旧させるには、この縛りをどう切り崩していけるかにかかっていると思います。
投稿日:2009年06月23日 作成者:yasunaka
いまさら言うまでもないですが、インターネットはビジネスと個人の両方に対して、従来のマスメディアとは異なり、双方向のやり取りが可能なメディア、また個人でも情報発信が出来るメディアという意味で、コミュニケーションのあり方を大きく革新しました。少し前のブログで紹介したGoogle waveのようなものが普及してくれば、さらにリアルタイムなコラボレーションも可能になり、情報の伝達スピードは格段に上昇すると思います。
インターネット上のテクノロジーは、このように早く情報を伝達したり、欲しい情報にアクセスするための検索の仕組みなどを提供することで、巨大なナレッジベースをわずか10年あまりのうちに作り上げることに成功しています。
しかし一方で、情報の信憑性を保証する仕組みはあまり広まっていませんよね。
初期のころから匿名性が大きく取り上げられ、言いっ放しが可能な仕組みとして注目された部分も多く、結果として信憑性のレベルが高いものから低いものまで、様々な情報が同列に扱われてしまっています。
情報ソースが明確であれば、そのソースに対する信用度に応じて、情報の信憑性を判断することは可能ですが、現状では情報ソースが不明瞭な情報も非常に多く、さらに情報のコピーが大量に行われているために、情報源を探ることが分かりにくい場合も多々あります。
この結果、いわゆる「伝言ゲーム」が起きて、本来のニュアンスや意味とは違うものがインターネット上にばら撒かれたり、またそれが既成事実化するようなことも起こりがちです。
もしかしたら、そろそろニュースやブログの内容にも電子署名が必要な時代なのかもしれませんが、どうやってインフラを整えていくことができるのかが問題ですね。せめてSSLと同等に、誰でも手軽に使えるようになれば良いのですが。