作る人、指示する人

投稿日:2007年05月25日 作成者:yasunaka

昨日の「能力の応じた支払い」に関連するテーマなのですが、作る人と指示する人の違いについて書きます。

ある人から、本来のプロジェクト管理者が自分でプログラムを作っているためにプロジェクトが管理されていないことがあった、という話を聞きました。これは小さいチームでは仕方ない場合もあります(現に私の会社では人が少ないこともあって私自身がバリバリコーディングしています)。しかしプロジェクトがある一定の人数になったら、プロジェクト管理者はプログラムを作ってはなりません。プロジェクト管理者、つまり指示する人はプロジェクト・メンバーが少しでも作業がやりやすいように環境を整えてあげるのが仕事であって、自分が一緒になって作業者になってはいけないのです。

私の会社の場合でいうと、今は社長の私自身も一緒にプログラムを作っているのですが、これは7月末までと予め宣言してあります。本来の社長業(といっても零細企業の社長業ですけどね)を行うためです。(ということで、社員のみんな、よろしくね!)

さて本題に戻って、指示する人のやるべき仕事とは、プロジェクト・メンバが少しでも作業がやりやすいように環境を整えることだと書いたのですが、ここでいう環境には非常に広い範囲のことが含まれます。クライアントとの調整はもちろんのこと、仕事の優先順位付けやタスク管理、プロジェクト・メンバへのケアなどいろいろですが、こういった仕事はすべて、プロジェクト・メンバが作業をやりやすくするために行うことだと思います。考え方の問題だと思うのですが、決して仕事を「やらせる」のでなく、彼らが仕事がしやすいように手はずを整える、ということです。つまり指示する人、と書きながら、実際にやるべき事は、仕事を事細かに指示することではなく、中のプロジェクト・メンバに対するある種、奉仕のような仕事だと考えるべきではないかということです。

ただし、これはシステム開発の現場のプロジェクト・メンバがプロフェッショナル集団である場合に可能な話です。プロジェクト管理者はプロフェッショナルに対する奉仕者であるべきだ、ということです。この形態は非常に理想系なのですが、中のメンバーがすべてプロフェッショナルであるという前提条件が付いていることには注意してください。