守破離

投稿日:2008年02月13日 作成者:yasunaka

何事にも先人の知恵をうまく生かすことは重要です。ただ、先人の知恵を本当に理解するのがたやすくない場合も多々あります。そんな場合には、先人のたどった軌跡と同じ軌跡をあえて辿ってみることも有効なのだと思います。そうすることで、深い理解が得られ、さらにその上の世界が開けてくるからです。単にうわべだけの理解では得られない世界です。

アジャイルの世界で一時「守破離」という言葉が有名になっていました。

「守」とは師匠の教えを正確に、忠実に守る、学びの段階。

「破」とは、それをさらに洗練させ、自分なりのものを創造する段階。

「離」とは、独自の道を確立する段階。

フレームワークやライブラリーを扱う場合、通常は先人(作った人達)の教えに従い、それを使います。これは「守」の段階です。それを使いこなしていくうちに、徐々にその足りない部分を自分で改良して使うようになってきます。これは「破」の段階ですね。そしてそういった経験を経て、見えてきた問題点などを解決するための全く新しい仕組みを新たに創造する、それが「離」の段階なのだと思います。

早く「離」の境地にたどり着きたいものですが、でも「守」や「破」を経て、本当の問題点を良く理解しないことには「離」はできないのだと思います。そういった意味ではあえて先人の軌跡を辿ってみるのも、遠回りのようでいて、実はその道を極めるための最短コースなのかもしれません。