投稿日:2012年03月07日 作成者:yasunaka
crossnote ver 1.6.2をリリースしました。
ver 1.6.2では、主に以下のような対応を行いました。
1.スケジューリングおよびレビュー機能の強化
作成時の編集スケジュールだけでなくレビュー日程や状況の管理等もできるようになりました。成果物の作成プロセスに沿って、簡単にスケジュールを作成・管理できます。また大規模なプロジェクトでも対応できるようにスケジュールの一覧表における絞込み機能なども充実させています。

crossnoteのドキュメント・キーワードの仕組みを使うことで、管理項目を自由に増やすこともできます。例えば上記の担当チームなどがその例です。新規作成時に入力項目としたドキュメント・キーワードが表に追加されます。また、終了予定日やレビュー予定日を過ぎて完了していないスケジュールがある場合、その項目には色が付いて表示されます。
下記はスケジュールの入力画面です。進捗状況をコメントだけでなく、顔文字で表現することができます。

レビュー日程は複数設定可能ですが、スケジュールの一覧表には最新の2件だけが表示されます。
2.リンク検索機能
crossnoteドキュメントおよび、WordやExcel、PDFファイルに含まれる外部リンクを検索・一覧表示させることができるようになりました。リンク先に対象のドキュメントが存在しているかどうか(リンク切れ)のチェックも行います。(なおURLが絶対パスで書かれている場合には存在チェックは行いません)
今までの参照リンクの逆検索(あるドキュメントを選んだとき、そのドキュメントを参照しているリンクの検索)に合わせ、双方向のリンク検索が可能になりました。
3.Word/Excelファイルへのサポート機能
WordやExcelファイルへのサポートを大幅に強化しました。
(1) crossnoteドキュメント同様、WordやExcelファイルについてもドキュメント中にコメントを書くことで、質問・課題管理が可能になりました。
WordやExcelファイルに書き込んだコメントを質問・課題管理に読み込ませることができます。取り込んでしまえば、担当者の割り当てや期日設定、ステータスの把握などが容易に行えます。メールと同様のやり取りができ、かつメールのように情報が埋もれてしまう心配がありません。
さらに、質問・課題管理側からワンタッチで対象のWordやExcelファイルのコメント位置へジャンプできますので、トラッキングも容易です。
(2) Word/Excelファイルのコメント一括削除機能を用意しました。
ファイル中のコメントを一括削除します。これはWordの場合、2007形式(DOCX)のみ可能です。Excelは97/2003(XLS)、2007(XLSX)形式の両方をサポートします。
(3) Word/Excelのカスタム・プロパティの設定機能を用意しました。
WordやExcelではカスタム・プロパティと呼ぶ仕組みがあります。Wordの場合、このカスタム・プロパティの値はDocPropertyのフィールドとしてヘッダーやフッダー、文中などに埋め込むことができます。Excelの場合にはセルに名前を付けることで、そのセルにリンクさせることが可能です。このカスタム・プロパティの値を、crossnote側から設定できるようにしました。
例えばプロジェクト全体でのフェーズ番号をドキュメントのヘッダーの管理項目に記載する場合、フェーズが変わったときにそれをメンテナンスするのは大変です。このような場合、フェーズをカスタム・プロパティの値として定義しておくことで、フェーズが変わったときにcrossnote上で一斉に変更することができます。
なおこの機能は、ドキュメント作成時にも実行されますので、必要な項目は予めテンプレートに定義しておくと良いでしょう。
他にも20項目以上の改良を行っています。ぜひお試しください。(お問い合わせはこちらまで)
投稿日:2012年02月28日 作成者:yasunaka
昔、金融系のSEで、かつ投資顧問系に関わっていたこともあり、かなり気になるニュースです。以下、毎日.jpからの引用。
— 引用開始 —
関係者によると、AIJは04年の創業直後から資産運用に失敗し損失を出していた。一方で、顧客には利回りの高い金融派生商品の「日経平均オプション取 引」などを駆使した運用で業績が好調なようにアピール。ITバブル崩壊以後の世界的な金融危機でも業績が堅調なように装い、中小企業などの小規模な「私的 年金」から資金を集めていた。
— 引用終わり —
オプション取引とはデリバティブ取引の中でも、もっとも一般的な取引形態の1つで、かつ上記の取引は非常に流動性の高い、コモディティー化した取引です。そのなかで、常にリターンを得る、ということは「ありえません」。デリバティブは株や債券と異なり、基本的にゼロサムゲーム。長期的に勝ち続けることは不可能なのです。金融のプロであれば、そんなことは常識のはず。
オプション取引は、基本的にヘッジに使うためのツールです。何か積極的にリターンを得るためには、まずは誰も気づいていないマーケットの「歪」を見つけなきゃならないわけですが、ある一時点で自分だけがそれを気づいたとしても、それが継続的に続くことはまずない。普通、他の人も気づきます。
この事件により投資顧問業全体に一律に監査が入ることになるそうですが、まじめにやっているところはたまらないでしょうね。
ちなみに、昔、Javaを最初に勉強したときに、一番最初に作ったのがBlack-Sholesのオプションの評価式でした。ちゃんと動いて感動した覚えが。あれは15年も前か。懐かしい…
投稿日:2012年01月31日 作成者:yasunaka
昨日、crossnote ver 1.6.1をリリースしました。
前回リリースからあまり間をおかないリリースですが、今回も3つの新機能(1) RSSフィード配信機能、(2) URIリンク対応、(3) Word変更差分対応 を追加しています。このリリースの一番の特徴を一言で表現するならば、「Webブラウザやメールとの連携が緊密になった」、ということです。
———- 例えばこんな使い方が可能になりました ———-
プロジェクトAでは、関係者が遠隔地に分散しており、かつドキュメントをやり取りしなければならないため、crossnoteを導入した。RSSフィードで変更概要を公開するようにしたので、各プロジェクト・メンバーは各自使っているRSSリーダーでフィードを購読することで、PCでもmacでも、RSSのリンクをクリックするだけでcrossnoteが立ち上がり、変更内容やコメント、質問を確認することができるようになった。
これにより、セキュアなドキュメンテーション環境を確保しつつ、ドキュメントに付いたコメントや質問にタイムリーに答えることができるようになった。
ExcelやWordファイルをやり取りする場合でも、crossnoteを使うことで単にコミットするだけで相手にどこを変更したのかが伝わるので、簡単である。
——————— ここまで ———————
どうでしょうか? だいぶ自然な使い方ができると思いませんか?
ちなみにRSSフィードはGoogleリーダーなどにまとめることもできますし、iPhoneで変更を通知してもらうようにすることも可能です。
crossnote ver 1.6.1。 ぜひお試しください。(詳しくはこちらをどうぞ)
投稿日:2012年01月11日 作成者:yasunaka
本日、crossnote ver 1.6.0をリリースしました。
これは約1年ぶりのメジャー・バージョンアップです。今回のメジャー・バージョンアップでは、徹底して基本機能をリファインし、多くの人にとってcrossnoteが本当に「使いやすいもの」になることを目指しています。
ですので、奇抜な新機能が追加されているわけではないのですが、crossnoteの開発者であると同時に1ユーザでもある私自身、自信をもって多くの人に提供できる優れた「作品」になったと感じています。
まず、ver 1.6ではサーバ側の仕組みを一新しました。さらにサーバ・クライアント間の通信方式や処理パターンなどを1つ1つ見直すことで、大幅なパフォーマンスの向上を実現しました。
例えば起動時間があります。1000ドキュメントぐらいのデータ量になってくると、以前のバージョンではコールドスタンバイ(PCの立ち上げ直後)からの起動に1分~2分かかってしまうことがありました。自分のブログでPCの起動時間について散々いろんなことを言っている割に、自分が開発したソフトがこのざまでは、正直情けなく感じていたものです。
新しいバージョンでは上記のようなドキュメント量でもすぐに起動し、使える状態になります。通信方式や処理パターンを見直すことで、ダウンロード、アップロードのスピードも劇的に速くなり、大量のドキュメントでもリーズナブルな時間でセットアップが完了するようになりました。
また大きめのバイナリデータが数多く含まれる場合(例えばeCTDなどのPDFファイルは結構大きいんです)、以前のバージョンではコミットに時間がかかりすぎ、場合によっては通信がタイムアウトしてしまうケースすら起こることがあったのですが、新しいバージョンでは一瞬でコミットが完了します。
ここまでが、基本機能の向上の第1弾、『パフォーマンスの大幅な向上』です。そして基本機能の向上の第2段として掲げるのが、『誰にでも優しいユーザーインターフェース』です。
まず、初めて使う人でも戸惑わずに利用できるように、各所でナビゲーションに工夫を凝らしました。例えば外部ファイルの編集をどうやったら開始できるのか、わかりづらい、という意見を頂いたことがあります。新しいバージョンでは外部ファイルをダブルクリックすると、明示的に「編集」するか、「参照」のみかを確認するダイアログが開きます。同時に上級ユーザ向けに、今までと同じ使い勝手を再現することもできます。
次に履歴管理機能のリファインの例を説明します。

履歴管理機能は、文書管理ができるシステムでは機能としては当たり前のようなものです。crossnoteの以前のバージョンでも、他のシステムに比較すれば、変更点を差分比較できるなど、それなりに良い履歴管理の仕組みになっていたと思いますが、実際に使ってみると、意外と使いづらかったり、表示されている結果がわかりづらいことがありました。
例えば、crossnoteではドキュメントの名前の変更やフォルダ位置の移動などもきちんとトラックしているのですが、複雑な実データでそれを追った場合に、以前のバージョンでは、これってどうしてこう見えるんだっけ?となってしまうケースが多々ありました。
また履歴を見るときって、前後の履歴も確認してみたり、他のドキュメントを探してみたり、いろいろすると思うのですが、このような場合にパッパッパッと切り替わらないと、どうにも使いづらいんですね。
新しいcrossnoteの履歴管理では、まずドキュメントを履歴管理viewにドラッグ&ドロップするだけでさまざまなドキュメントの履歴に切り替えられます。動作も速いので、ストレスなく使うことができます。プロジェクト全体の履歴を見るタイムライン機能も履歴管理viewに統合したので、同じような使い勝手で目的の事象を探し出すことができます。
またドキュメント内容の変更だけでなく、名前や位置、ドキュメント・ステータスや管理属性の変更点を同一履歴上で集約的に把握できるようになり、これってどうしてこうなっているの?のようなことがなくなりました。
あとこれは新機能になるのですが、変更履歴や変更点通知機能において、crossnoteドキュメントに加え、Excelファイルについても変更点がわかるようになりました。変更点viewや変更履歴viewでExcelファイルの履歴をダブルクリックすると、変更されたセルに色が付くようになっています。

今までのcrossnoteは、crossnoteドキュメントという特別なドキュメントによる仕組み、という位置づけが強かったと思うのですが、これからのcrossnoteはドキュメンテーション・プラットフォームとして、さまざまな種類のドキュメントの作成・管理を容易に行えるように進化していく予定です。
これからも、crossnoteをよろしくお願いいたします。
投稿日:2012年01月10日 作成者:yasunaka
本年もよろしくお願いいたします。
「夢はみるものではなく、叶えるもの」 – 2011年女子世界最優秀選手に選ばれた、なでしこジャパンの沢穂希さんの言葉だそうです。
そうです。夢は叶えましょう。
もうすぐ、当社から新しい発表ができそうです。お楽しみに。
投稿日:2011年11月27日 作成者:yasunaka
最近、ウルトラブックなる言葉を聴くようになりました。高速起動、軽いボディ、長時間駆動などが特徴のノートPCで、イメージ的にはAppleのMac book airに近いもののようです。売る側も起動時間の重要性にようやく気づいてきた、ということなのでしょう。
すぐ起動する、というのは重要です。ちなみに今このブログはDELLのちょっと古いノートPC(LATITUDE D430)で書いているのですが、起動してまともに使えるようになるまで、今さっき10分ほど待たされました。単に起動が遅いだけでなく、ログイン後、しばらくディスクとCPUがフル稼働状態のまま張り付いてしまい、Webブラウザもなかなか起動しないし、メールもなかなか見れない。何もかも固まってしまって動かなくなっちゃいます。ちょっと古いとはいえ、一応 Core 2 DUOのマシンです。使う前に10分待たされる、というのはなんともなぁ、と思います。
会社で使っているMac book airは起動が本当に一瞬です。実に快適。電源を入れてログインするまでが極端に早いし、ログイン後、すぐにWebも使えるし、メールも見れます。これもCPUはCore 2 DUOです。ってことは、起動時間はCPUの性能とはあまり関係がないのかも。
さらに、かなり古いPanasonicのLet’s note W2 (7年前?のビンテージもの)にubuntuを入れて使っているのですが、これも結構起動が早い。CPUはPentium Mです。電源入れて、起動画面が終わってログインし、デスクトップが表示されれはすぐにブラウザやメールが使えるようになります。特に画面が固まって待たされることもありません。
つまり、実は問題はハードウェアよりもソフトウェアにあると思うのです。Windowsのマシンは起動後、なにやらいっぱい裏でいろいろな「サービス」が起動し(そんなサービス、いらないよってのも関係なしに)、それらがCPUとハードディスクを奪い合っています。Macもubuntuも同じような仕組みがあるのですが、Windowsのその戦いは、半端無く激しいのです。もちろんその戦いの中にはウィルスチェックソフト(私の会社ではノートン)も参戦していることも忘れてはなりません。そして、その戦いが一段楽するまでは、本来ユーザが動かしたいソフトはなかなか動かしてもらえません。
ってことから類推するに、ウルトラブックも起動そのものは早くなるかもしれないけど、実際に「使えるようになるまでの」時間ってどうなんでしょう? ソフトウェアが一緒だったら、あまり変わらないような気がするのですが。
Windowsも次のWindows 8などでは、UIをいろいろといじくるような修正ではなく、裏の動作の改良で、実質的な起動時間がもっと圧倒的に早くなるような改良をして欲しい、と切に願います。そうしていかないと、PC以外のデバイスに人々が流れていくトレンドを変えられないと思うのです。
投稿日:2011年11月21日 作成者:yasunaka
本日11/21にcrossnote ver 1.5.6をリリースしました。今回のリリースの主な機能は、テンプレートの書式編集機能(Style editor)です。
■ テンプレートの書式編集機能(Style editor)
crossnoteでは、個別のドキュメントは書式設定を持っていません。その代りにテンプレート・ドキュメントの書式設定を共有管理し、それを各ドキュメントが利用する形になっています。こうすることで、ドキュメント毎に書式がばらばらになるのを防ぎ、統一されたドキュメントを構成することができます。

書式設定が共有されているので、テンプレートの書式を変更すると、それをテンプレートとしているドキュメントの書式も同時に変わります。このテンプレートの書式を編集するためのエディタ = Style editor をリリースしました。

crossnoteでは、一般的な書式設定だけでなく、利用可能なフォントの種類や大きさ、ページマージンの最小値・最大値、文章に関する規定などのルールを設定できるようになっています。これにより利用するフォントに制限をかけたり、極端に小さなフォントにならないようなルールを書式として設定できます。
投稿日:2011年11月01日 作成者:yasunaka
昨日 10/31にcrossnote ver 1.5.5をリリースしました。
このver 1.5.5は特定用途(eCTD)向けのAPIの追加などを実施したメンテナンスバージョンです。
投稿日:2011年10月16日 作成者:yasunaka
10/16にcrossnote ver 1.5.4をリリースしました。
今回のバージョンアップの目玉はPDFへの出力対応です。今までcrossnoteで作成したドキュメントは、Word 2007形式、HTML、crossnote形式、XMLファイルなどの形式でエクスポートできたのですが、これらに加えて今回のバージョンからはPDFファイルへ変換して出力できるようになりました。
今までもAdobe Acrobatなどを入れておけば、印刷する形でPDFへ変換出力できたのですが、この方法だとリンクなどに対応できません。またしおりも作成されませんでした。
今回、PDF対応を行ったことにより、リンクやしおりにも対応できるようになりました。crossnoteドキュメント同士のリンクなどもPDFで扱うことができます。また印刷メニューではなく、エクスポートとして扱うので、ドラッグ&ドロップでPDFファイルとして取り出したり、複数のcrosnoteドキュメントを一括してPDFに変換して取り出すことも可能です。なおPDF変換には他社のソフトをインストールする必要はありません。
crossnoteはデータを取り込み、ネットワーク上で共同編集し、出力するまでの一連の作業をサポートするDocumentation Hubとしての機能を今後も強化していきます。
上記以外にもさまざまな改良を加えています。
詳しくはこちらをご参照ください。
投稿日:2011年10月14日 作成者:yasunaka
K&Rといえば、プログラマの世界(の中でもちょっと上の年代?)にとっては、C言語を開発した二人の巨匠の、カーニハンさんとリッチーさんのことですよね。この二人が書いたK&R版の『プログラミング言語C』は、長い間、バイブル中のバイブルで、私もだいぶお世話になりました。
C言語はUNIX、そしてLinuxをはじめ、さまざまなシステムの一番基盤的な言語で、これ無しには現在のコンピュータの世界はありえないのですが、その礎を作ったK&Rのうちの一人、デニス・リッチーさんが亡くなったというニュースがYahooに流れていました。一般の人にはあまりなじみのない人かもしれませんが、この人の功績は実は非常に大きなものだと思います。
UNIXやC言語を開発したきっかけは、当時働いていたベル研究所に、ミニ・コンピュータのPDP-7がたまたま(しかもほぼ廃棄に近い形で)あったからだそうです。それを動かすために汎用的なOSとして開発されたのがUNIXで、それをさらに別のマシン、PDP-11に移植するために開発したのがC言語だ、ということ。
それぞれ実は原型といえるもの(UNIXはMultics、C言語はB言語)があったのですが、それをベースにしたとしても、きちっと実用的なものに仕上げ、実際に使えるものにしたというのは、本当にすごい。そしてその影響の大きさは、今となっては計り知れないものがあります。
Windowsだってその多くはC言語(およびその改良であるC++)で書かれているはずですし、今をときめくiPhoneだって、そのプログラミング言語のObjective-Cは、実はC言語です。AndoroidはLinuxベースですが、そのLinuxも基本はUNIX互換製品であり、AndoroidアプリはJava言語で書かれていますが、このJavaだって、元となっているのはC言語です。
さらに、これらの仕事は彼らがまだ20代のときに、わずか数年で成し遂げていた、というのが驚きです。
もちろん、それらが普及して一般化するまでには、他のさまざまな人々の努力が加わった結果であることも間違いありません。ただそれだけ、多くの人を巻き込んだ、非常に魅力的な仕組みがUNIXであり、C言語であった、ということだと思います。