リファクタリングとリストラクチャリング
投稿日:2007年05月22日 作成者:yasunaka
プログラマーの間に一般に浸透してきたリファクタリングという言葉ですが、誤用が目立つという話を聞きました。プロジェクトのメンバーがいつまでたっても進捗が進まず、何をやっているのか聞いてみると、延々とリファクタリングをしていると言う。でもどう考えてもやっていることはリファクタリングではない。確かにこの手の話は私もたまに聞きます。
上記の例では作り直すことをリファクタリングと称していて、実際にやっていたのはリストラクチャリングだった、ということでした。確かにリファクタリングとは作り直すことの一種ではありますが、外から見たときの振る舞いを変えずに中身を洗練させる作業であり、振る舞いが変わってしまうような場合にはそれはリストラクチャリングと呼ぶべきです。しかしリストラクチャリングという言葉が一般化していないためか、もしくはリファクタリングという言葉がかっこよくて、ある種免罪符のように使えるからか、なんでもかんでもリファクタリングと称してしまう場合があるようです。
リファクタリングは常に推奨すべき行為だと思いますが、リストラクチャリングとなると通常時間、つまり工数がかかるので、実施すべきかどうかはプロジェクトの状態によって判断が分かれると思います。それが今後のシステムの開発を阻害するような問題を含んでいる場合にはリストラクチャリングすべきですが、そうではない場合には無理に行うべきものではありません。
行っている行為がリファクタリングなのか、それともリストラクチャリングなのかの判断は、厳密にやろうとするといろいろ議論があって難しいと思いますが、1?2時間以内、どんなに長くてもせいぜい半日以内に完了するレベルがリファクタリングであり、それを超えるレベルの場合にはおそらくリストラクチャリングになっていると思います。もし皆さんのプロジェクトのなかで何日間にも渡ってリファクタリングをしているという例があるのであれば、それは本当にリファクタリングなのか、もしリストラクチャリングであるならば、それは本当にいますべきリストラクチャリングなのかを判断させるべきだと思います。