アプリケーション・データベース
投稿日:2007年05月09日 作成者:yasunaka
アプリケーション・データベースとは私が勝手に作った名前で、エンタープライズ・データベースの反対の意味です。
エンタープライズ・データベースとはある会社の基本的なデータを集約して持っているようなデータベースで、企業活動におけるデータの入り口にあたり、複数のシステムから参照されるようなものです。一方、私がアプリケーション・データベースと呼んでいるのは特定のシステム、もしくはアプリケーションからしか参照されない、閉じたデータベースのことです。
エンタープライズ・データベースはオープンであり、複数のシステムから参照されるものなので、中のデータは広く会社全体で共有可能な形式で保持されなければなりません。つまり特定のアプリケーションを意識したデータ構造ではなく、さまざまなアプリケーションからでも利用可能な一般的なデータ構造でなければなりません。
一方のアプリケーション・データベースはクローズドなので、中のデータの形式は特に問われません。多少特殊でもアプリケーションから利用しやすいデータ構造が利用可能です。
システムを新たに設計する際には、対象とするデータベースがエンタープライズ・データベースなのか、それともアプリケーション・データベースとしてよいのかを見極める必要があります。もしエンタープライズ・データベースとすべきものであれば、特定のアプリケーション固有のデータ構造はできるだけ排除すべき、といえるでしょう。逆にアプリケーション・データベースとみなせるのであれば、中のデータ構造はできるだけアプリケーションから利用しやすい形式のほうが望ましいといえます。
O-Rマッピングツールを用いる場合、O-Rマッピング側の都合の良い構造にすることが可能なのはアプリケーション・データベースということになります。もし対象とするO-Rマッピングツールが対象のデータベースについて特定の構造を前提としている場合には、エンタープライズ・データベースには適用すべきではないといえます。そのような場合には他のO-Rマッピングツールの適用を検討すべきでしょう。