システムを使う人、使われる人

投稿日:2007年04月24日 作成者:yasunaka

システムを新規に導入しようとする際に忘れてはならない点として、今日は「システムを使う人、使われる人」というテーマで書いてみます。

システムを導入するとみんなが楽になる、というのが理想なのですが、現実にはシステムを入れることによって逆に仕事が増える人がいる場合があります。システムの提案・企画をする際にはシステムを使って楽をする人だけでなく、逆にシステムを入れることによって仕事が増えてしまう、拘束されてしまう人達のことをよく考えて設計しないと、「使われないシステム」になってしまう場合があるという話です。

システムを導入する際には業務全体の効率化という御旗の元、新しい業務フローができるケースが多いと思います。例えば何らかのデータを毎日入力する、みたいなものです。データを入力することを専門とする職の人ならばそれでも問題ないと思うのですが、通常の業務をやっている人に、追加する形でデータ入力を強制するような場合、彼らはシステムに「使われる」立場になります。こういった場合、彼らがちゃんとデータを入力するように、業務的に『強制』したりするわけです。

でもこれって、その「使われる」立場と同じ立場・視点で考えてみればわかりますが、面白くない話ですよね。一生懸命入力するまじめな人もいるとは思いますが、大半はまともに入力しません。最初は業務的に強制させることによってなんとか回っていても、いつの間にかきちんとした、意味のあるデータが入力されていなかった、なんてことがよくあると思います。

正直な話、私も過去にこの手の失敗をした経験があります。そのシステムはリリースはされたものの、あまり有効に活用されませんでした。

これはそもそも、強制させればきちんと回せると考えていることに問題があると思うのです。つまり上記のケースでも、データを入力したいと思わせる仕組みが必要だ、ということです。システムに「使われる」と思っている人がいる限り、うまくいきません。システムに関わるユーザがすべてシステムを「使っている」と感じることができるかどうか、にかかっていると思います。

ではそのためにはどうすべきか、これは後日ということで。