上流工程を改善するには

投稿日:2008年09月26日 作成者:yasunaka

昨日のブログでは「なぜ上流工程を改善しようとしないのか?」というテーマで、開発プロジェクトを進める上で、みんなが最も改善すべきだと感じている課題は上流工程の問題なのに、それを改善しようと考えている人はあまり多くない、という話を書きました。そして今日は、上流工程を改善するにはどうすべきか、について考察してみます。

おそらく一番重要なのは、上流工程について「学ぶ」ことだと考えます。ここでいう「学ぶ」には2つの側面があると思います。

■システム開発というプロセスを学ぶこと

■ユーザの業務を学ぶこと

おそらく大部分の上流工程の設計者たちは、このどちらかに偏っているのではないでしょうか? システム開発プロセスのプロです、という人はいます。またユーザ業務ならまかしておけ、という人もいます。でもその両方を十分理解して、最適な提案ができる人というのは非常に少ない、というのが私の実感です。

システム開発はバランス感覚が問われる、総合的な判断能力が必要な仕事です。システム開発プロセスを知っていても、ユーザの業務をきちんと理解していなければ必要な機能、不必要な機能の判断もできず、適切なリソース配分ができず、過剰な、もしくは使いにくいシステムとなってしまいます。一方でユーザ業務を知っていてもシステム開発プロセスを理解していなければ、度重なる仕様変更を繰り返し、プロジェクトを疲弊させ、最終的にはプロジェクトを失敗に導いてしまうことにもなりかねません。

この問題を避けるためには、まずは「学ぶ」ことが重要ではないでしょうか? つまりユーザ業務を十分に知らないのであれば、それを徹底的に理解できるように学ぶこと、システム開発プロセスを知らないのであれば、それを徹底的に学ぶこと、何にも増して、まずは学ぶことが最も重要なのだと思います。

足りなかった部分を学ぶことにより、プロジェクトの様々な問題点・改善すべき点が徐々に見えてくると思います。その上で様々な方法論なりツールを活用すれば、鬼に金棒です。

私も何歳になっても、謙虚に学ぶ姿勢は大切にしていきたいと思っています。