なぜ上流工程を改善しようとしないのか?
投稿日:2008年09月25日 作成者:yasunaka
TechTargetジャパンでプロジェクト管理ツール利用に関するアンケートを行った結果を公開しています。
これを見ると、開発プロジェクトを進める上で、最も改善すべきだと感じている課題は「不十分な要件定義(39.2%)」が突出して多く、続いて「頻発する仕様変更(18.1%)」となっています。
そうなのです。開発プロジェクトにおいて一番改善すべき工程は、要件定義や仕様変更を行う、いわゆる「上流工程」なのです。もちろんプログラミングやテストなどの工程で問題が出ることもありますが、でもそれも実は原因を分析してみると上流工程での結論に問題があった結果、それがプログラミングやテスト行程で問題が発覚した、というケースの割合が非常に多いのです。
でも不思議なことに、問題意識があるにも関わらず、その上流工程を改善しようと考える人はあまり多くありません。なぜなのでしょうか?
上流工程を別のチーム、もしくはベンダがやっていて、そこに対する不満がある、というケースも考えられます。この場合には不満を持つ人と実際に実施している人が異なるので、なかなか問題意識が実施している当人たちに伝わっていない、というケースもあるかもしれません。
もう一つの可能性としては、上流工程を改善するといっても具体的にどうしたらよいのかがわからない、ということも考えられます。いろいろな手法、ツールなどがあるのですが、どのような方法をとったら実際に良くなるのかがはっきりしない、ということです。
プロジェクト運営の方法はおそらく各社各様、同じ会社内でもチームごとにいろいろと特色があって異なるのが実情だと思います。そしてあるチームでうまくいったからといって、ほかのチームでそのまま同じように適用してうまくいくとは限りません。
こういったプロジェクト毎の違いにばかり目を向けていると、全体として上流工程を改善するやり方が見えてこない、というのが実情なのではないでしょうか?
じゃあどうすべきなのか、を明日考察することにしましょう。(できるかな?)