モノリシックなクラウド?

投稿日:2008年09月19日 作成者:yasunaka

マイクロソフトは、コンシューマー向け「Windows」を再構築するという記事がITMediaのニュースに載っています。図を見て思ったのですが、これってマイクロソフト版のコンシューマ向けクラウドのイメージですね。(クラウドの先のクライアント側しか描かれていませんが)

1つ感じた点は、マイクロソフトのクラウドはすべてマイクロソフト製品で固められたモノリシック(monolithic)構造だ、ということです。今回の発表ではそれら全部まとめてWindowsという名前で呼びますよ、としています。

そして、「Life Without Walls」(壁のない世界へ)というメッセージ。

ある閉鎖的な環境の場合にはこのモノリシックな構造は管理上都合が良いと思います。しかしコンシューマ向けのクラウドとしてモノリシックな構造を望む人がどのぐらいいるのでしょうか? 確かにマイクロソフトの場合、それを主張できるだけのバックグラウンドがあると思いますが、新しいクラウドの世界においてもマイクロソフトがPCの世界と同様のポジションになることを望む人(会社)はあまり多くないんじゃないか? と勝手な想像ですが、そう感じています。

そしてモノリシックさを強調すると、モノリシックなものとそうでないものの間に「Walls」ができてしまうのではないでしょうか?

そもそもクラウドの考え方の中では、その中の各デバイスが特定のOSなり、ミドルウェアなりに拘泥されない世界がイメージされていると思うのです。もちろんWindowsがその世界の中で重要なプレイヤーとしてある地位を占める、というのは当然の成り行きだと思いますが、クラウドの中ではWindowsも1つのプレイヤーに過ぎず、他の仕組みともWindows間のやり取りと同様にWebという仕組みでインターフェースできるんだよ、と伝えていくことが本来あるべき姿なのではないか、と感じました。