広告宣伝の価格

投稿日:2008年09月17日 作成者:yasunaka

ITProに元ライブドア社長のホリエモンの対談記事が載っています。いろいろ意見のあるところかもしれませんが、私は素直に視点がいいな、と思いました。

視点の良さを一番感じたのはテレビ局買収の話の部分で、次の下りです。

— 引用 —
僕のビジョンは非常に単純でした。テレビの画面にURLを流し続ける,ただそれだけでした。ネットにユーザーを集める純粋な広告媒体として,テレビ局が必要だったのです。
————

テレビ局買収の話についてはいろいろ言われていますが、上記の話は結構真理を突いていると感じます。テレビのユーザをネット側に連れてくるにはテレビ局ごと買収して、そこから誘導するのが一番手っ取り早いわけです。

以前テレビ局買収の話で盛り上がっていたときには、正直なところ、ライブドアはテレビのコンテンツが欲しいのだとばかり思っていました(でもそのコンテンツの2次利用にはご存知の通り、いろいろ面倒くさい問題があるわけです)。でも実はそれよりも重要なのは認知度というブランドであり、それを得るためにはテレビが最も適した媒体だ、ということであれば、テレビ局を買収しようとしたとしたのは筋の通った話だと思えます。

ビジネスというのは対象となる見込み客の認知を得て初めて成り立ちます。コンテンツ云々が問題になるのはその後の話であり、順番としてはまず認知してもらうことが大切なのだと思います。

純粋にブランドを得るための広告宣伝費と考えた場合、非常に割安な案件だったのかもしれません。

ちなみに、その時の資金提供元が昨日破たんしたリーマン・ブラザーズでした。手法としてはかなり大胆な(無茶苦茶な?)方法での買収だったのですが、もしそれが成功していたら、今のIT業界の地図はだいぶ変わっていたのかもしれません。