会話の前提条件

投稿日:2008年08月29日 作成者:yasunaka

ちょっと与太話です。

例えば「15:00に帰る」と言うことに対して、(A)「15:00迄に帰る」と捉える人と、(B)「だいたい15:00ぐらいに帰る」と捉える人がいると思います。時間があまりシビアでない場合にはどっちでも良いのですが、15:00という時間が重要な場合には、(A)「15:00迄に帰る」と捉えてほしいと思います。

しかし実行者(15:00に帰る人)はそんなことは考えません。できるだけ楽な(B)「だいたい15:00ぐらいに帰る」と捉えることも多いと思います。結果として、いろいろと問題が発生することになります。

さてこの問題、何が原因なのでしょうか? 「15:00に帰る」という表現が曖昧ということでしょうか? それとも気を利かせない実行者が悪いのでしょうか? または、勝手に15:00迄に帰ることを期待する側が間違っているのでしょうか?

おそらくこれと同じようなことが、プロジェクト内では何百回と繰り返されていて、その度に様々な問題やバグ、仕様間違いなどが発生しているのではないでしょうか?

このケースで重要なのは、コンテキスト(文脈)です。どのようなコンテキストで用いられた文章なのかによって、受取る意味が異なります。「15:00に帰る」という表現そのものは決して曖昧な表現ではないのですが、コンテキスト次第では様々な意味を持ちうる点が曖昧さを生み、情報の発信側と受け手側で同じコンテキストを共有していないと、場合によっては意味を取り違えて伝わる場合がある、ということです。

ところがコンテキストの共有が十分できていない場合というのが実際にはよくあります。「え、そういうことだったの?」というケースです。相手が同じコンテキストを共有していることをきちんと確認しないことには、あなたの言葉は違う意味で受け取られているかもしれません。