工事進行基準とアジャイル
投稿日:2008年05月20日 作成者:yasunaka
株式会社チェンジビジョンの平鍋さんのブログAn Agile Wayに「要求は変化する。Boehm は間違っていた、と DeMarco が暴いた。」というYourdon のブログというエントリーが昨日載っています。
ソフトウェアの修正コスト曲線にみんな洗脳させられていて、要求を最初に決めてしまわないと指数関数のように変更のコストが膨らむと思いこんでしまって、それがウォーターフォールを強固なものにしてしまい、アジャイルというやり方に気付くのに時間がかかってしまった、という話です。
そして結びの一文が良いです。
— 引用 —
ソフトウェア開発の先輩たちが、みんなウォーターフォールを悔い改めようとしている。。。ぼくらも、いまの産業構造の中で「契約がこうだからできない」ということを言わずに、原則論から考えて、構造自体を変えて行くことをしないか?
— 引用終わり —
システムはつかわれてなんぼ、のモノです。使いやすいものを提供する、そのためには変化を受け入れていく。これが自然な姿だと思います。
しかし一方で来年度から始まるソフトウェアの受注開発での工事進行基準においては、契約前の要件のFIXが求められています。要件をFIXするまでは開発をするな、と。これは上記のような観点とはある意味、真逆の方向を強制しています。
ただし工事進行基準も仕様変更を認めていないわけではなく、変化に合わせて仕様変更を重ねていく、というやり方はできるのかもしれません。おそらく米国ではすでに工事進行基準になっているはずなので、アジャイル開発ではどうやっているのか、調査してみたいですね。