工事進行基準
投稿日:2008年04月08日 作成者:yasunaka
最近、SIerの受注ソフトウェア開発業の会計基準が2009年4月から工事進行基準に変わる、という記事が@ITで流れていました。デスマーチがなくなる? IT業界に義務付け「工事進行基準」ってなんだ
従来は工事完成基準といって、開発終了時に売り上げと原価を一括計上することが多かったのですが、こうするとどんぶり勘定で行われるプロジェクトが多かったということで、これからは工事進行基準にすることで会計上におけるプロジェクト開発の透明性を増そう、という話らしいです。
工事進行基準のやり方はいくつかあるようですが、一般的な原価比例法の場合、工事原価と実際にかかった原価から進捗率を求めるという方法になります。こうして求めた進捗率と、工事収益総額、および工事原価総額により、工事進行基準における損益が計算できることになります。従ってプロジェクトを開始する前に原価と収益の見積もりをある程度の精度で求めることが要求されます。また実際にかかった原価を裏付ける資料も必要になると考えられます。
この工事進行基準という考え方は、もともと工事進行基準が適用されてきた建築工事などのおいて、長期の請負工事においてあらかじめ収益の獲得が保証されているのだから、各決算期毎に適正に収益を計上しなさいよ、というところから出来上がっているようです。
でも、ということは、システム開発プロジェクトのように、長期の請負工事においても「収益の獲得が保証されている」とは言い難い状況の場合はどうなんでしょうね? 実際上記の原価比例法で損益計算するとして、赤字プロジェクトの場合には途中から人を余計に投入して回復しようとするため、その時点で見積もり修正をしなければ実際より早く進捗率が上がっていくことになります。これはこれで変ですよね。ということは都度、見積修正をするのか? どうなんでしょうか?
私自身、このあたりはまだ疎いので、もうちょっと勉強してみようと思っています。