変化を抱擁せよ

投稿日:2008年03月18日 作成者:yasunaka

エクストリーム・プログラミング(XP)で有名なケント・ベックの書いた本「Extreme Programming Explained – Embrace Change」のEmbrace Changeの日本語訳として有名な「変化を抱擁せよ」ですが、現実のシステム開発の現場ではどの程度「変化を抱擁」できているのでしょうか? 現実問題として大きなプロジェクトの場合、「変化を抱擁」して失敗した、という例も多いため、できるだけ変化しないで済むようにコントロールすることが多いと思います。

変化を受け入れるためには、できるだけ小さい単位で「完結」していることが重要です。その単位で完結していれば、完結する範囲では変化を固定することができます。一旦完結した後で、次回(次のイテレーション)で次の変化を取り入れればよいのです。逆にいうと、完結していない単位でいろいろと変化を抱擁してしまうと、収束しない、デスマーチ状態になりがちです。

大きなプロジェクトの場合、それを細かい単位で完結するようにするように進めるのはなかなか難しい部分も多いと思います。だからどうしても長めの時間が固定されることになる。これはある程度仕方がないことだと思います。

それでもやはり、できるだけ細かい単位で分けられるような構造にして、それぞれがイテレーションの1単位として完結できるようにすべきでしょう。そのような形にすれば、プロジェクト管理の観点からも非常に望ましい結果を得られると思います。

細かいイテレーションの単位に分解した場合、その当初「どういう仕様にしたのか」をきっちり管理することが必要です。ベースライン管理ですね。イテレーションを基準としたベースライン管理がきちんと出来ていることが「変化を抱擁する」ための最低条件だと思います。

ということで、ベースライン管理にはcrossnoteをどうぞ。(なんだ、結局宣伝か。)  😀