絶対大丈夫なんだな?

投稿日:2008年02月18日 作成者:yasunaka

最近、私の知っている小学校で、誤って個人情報が書かれた書類をそのまま捨ててしまっていて、問題になったという話しを聞きました。あまり詳しくは知りませんが、ちょっとした騒ぎだったようです。

これは個人情報保護法関連の話題ですが、この手のセキュリティ上の問題がニュースになることがここ最近増えたのではないでしょうか。昔はセキュリティに関して日本人はあまりに無防備すぎたと思いますが、今は逆にだいぶ過敏になってきているようにも思えます。そして行き過ぎると、完璧さを求められることになります。

セキュリティとは何らかのリスクに対して予防的な処置をとることです。リスクは広範囲に渡り存在します。それらを網羅的に、かつ効果的に予防することが求められます。ポイントは「効果的に」予防することであり、そうしたからといってリスクに完璧に除去することはできません。また完璧さを求めることは経済的にも意味を成さないことがほとんどです。

リスクにはいろんなリスクがあり、また予防方法にもいろいろな方法があります。絶対あってはならない生命に関わるリスクには最大限の対処を行うにせよ、そうではないリスクについては、発生しうる経済的な損失額と発生する確率を目安に、リスクの予防策に対してかけるべき額のバランスをとるべきです。そうすることで、本当にリスクが存在する部分がはっきりし、適切な対処が可能になってくるからです。

でも世の中には「絶対大丈夫なんだな?」って念押しされるケースがよくありますよね。絶対大丈夫なんてことは、普通存在しません。そこには何らかのリスクが存在しているはずです。「絶対大丈夫なんだな?」って聞いている側は、それでリスクを転嫁しているわけで、そういう聞き方をしている時点で非常に無責任なことをしているわけですが、単純に「絶対大丈夫です」なんて答える人がいたら、その人もかなり無責任だと思います。

では、「絶対大丈夫なんだな?」って念押しされたらどうするか? おそらくリスク・マトリクスを用意して、各リスクに対してどのように対処するかを検討した結果を提示する、というのが教科書的な答えだと思います。

でも実際問題として、それでは納得してもらえない場合もあるでしょう。結局のところ、誰かにリスクを押しつけることができるまで、この問題は解決しないのです。言い換えると、リスクテイクができる人(金を握っている人とか、決定権のある人)だけが、「大丈夫です」と答えることができるのだと思います。

え、それでは自分にとっては何の解決にもならない? あきらめましょう。 🙁

(2014/12 加筆)