マッシュアップ VS VB

投稿日:2007年03月19日 作成者:yasunaka

変なタイトルですが、最近IT mediaの記事で、「字幕.in」を1人で作る…を見たときにふと、いまから10年ぐらい前のVisual Basicがでてきたときのことを思いだして、こんなことを考えてみました。

IT用語としてのマッシュアップとは、他から提供されたWebのサービス(API)を利用して、そこにアドオンする形で新しい付加価値を追加する行為です。元のコンテンツの部分についてはある意味で「パクリ」なのですが、コンテンツ提供者側も意図的にAPIを公開しているのであり、また元のWebのサービスにはない付加価値をそこにつけることに大きな意義があります。先の記事の「字幕.in」などは、一人でこんなものつくっちゃったんだ、て感嘆するぐらい、よくできていますよね。

この「他の人の成果物を利用して、そこに付加価値を追加する」というやり方は、コンピュータの世界では過去、コンポーネントという形で扱われることが多かったと思います。そこで思い出したのがタイトルにあるVB (=Visual Basic)です。VBが出た当時注目されたのは、もちろんグラフィカルに簡単に画面を作れたということもあるのですが、もしそれだけなら既にNextのInterface Builderなど、先行しているものもありました。それ以上に、その当時VBXと呼ばれた部品がいろいろ開発されて、日付をかっこよく入力できる部品とが、データベースとのやり取りが簡単にできるようにする部品とか、そういった部品をペタペタと自分のアプリケーションに張り込んで使うことができた、というのが実はVBが当たった大きな要因だったのではないかと私は考えます。この部品(=コンポーネント)とは、他の人(会社)が開発したものであり、この他の人の成果物をうまく利用することで簡単に本格的なアプリケーションと比較して遜色のないアプリケーションを開発できた、というのがVBが伸びだ大きな要因だったのではないか、ということです。

ただしVBのころと比較した場合、現在のマッシュアップと呼ばれているものは、コンポーネントの位置づけが主客逆転しているというか、利用するAPIのほうがむしろ主といえるぐらい、利用される側の存在(関与する度合い)が大きいという点がだいぶ異なっています。実際似たようなサービスを提供していたニワンゴの「にこにこ動画」がYouTube側の都合でサービスが中断したっていう件もありましたが、サービスとしての脆弱性の克服が今後の課題でしょう。逆にいうと提供する側もこのような不安感を払拭するための施策をとらないと、なかなか企業レベルで利用できるサービスとはならないのではないでしょうか?