非同期的時間の共有

投稿日:2007年12月14日 作成者:yasunaka

最近、Second Lifeの人気が下がってきている、一方でニコニコ動画の人気は過熱する一方だ、という記事を見ます。Second Lifeは3Dの技術をたぶんに入れ、リアルタイム・コミュニケーションに力を入れてきました。一方のニコニコ動画は、言い方は悪いですが、Second Life程には技術力を誇示していないように見えます。またニコニコ動画上でのコミュニケーションはリアルタイムではなく、疑似リアルタイム的なコミュニケーションです。では、Second Lifeのほうがより未来型のコミュニケーションなのか、というと、どうも違うらしいということが上記の人気の結果でわかると思います。

リアルタイム・コミュニケーションを行うためには、関係しようとする人同士が同じ時間にコミュニケーションしなければならない、という制約が存在しています。実はこの制約が大きく作用していて、人気の差になっているということのようです。

同じ時間ということになると、その時間を逃せばもうコミュニケーションは成り立たなくなります。一方のニコニコ動画は疑似リアルタイムであり、実際には別々の時間にその動画にコメントした人同士が、あたかも同じ時間にコメントしあっているように見える、ということで、非同期のコミュニケーションを成立させているところが人気の秘密だそうです。

コンピュータによるコミュニケーションのすごさというのは、今までの通信とことなり、時間さえも越えてしまう、ということなのかもしれません。つまり、過去時点のある人と、現時点の私がコミュニケーションし合っているように感じるわけです。もちろんこれはあくまで「疑似」体験に過ぎないわけですが、そう感じさせてしまうことって、すごくないですか?

いろいろな意味で、これからのコミュニケーションは非同期的時間の共有に向かう、と私は予測します。