設計と開発の工数

投稿日:2007年11月21日 作成者:yasunaka

最近、システムの開発期間がどんどん短縮されてきているという話を良く聞きます。技術的要因としてはシステムの基本要素のコンポーネント化やライブラリー化が進んだこと、優れた統合開発環境が誰でも手に入りやすくなったこと、非技術的要因としては昨今の一般マーケットにおける商品サイクルの短縮化などにより、儲けるためには時間がかけられなくなってきているということ、などが理由でしょうか?

システムの開発期間が短くなっている、というのはほとんどの場合、開発の期間のことを指していると思います。設計期間が短いというのはおそらく、同じようなものを過去何度も作ってきているので、いちいち設計しなおす必要がない場合など、特殊な場合のみで、大規模な受託案件だと設計期間が長く、かつそれは開発期間に比べ、あまり短くなっていないと思います。

開発期間はできるだけ短く、という話になるのに、設計期間が短くならないのは、1つにはその仕様決め作業にユーザ側自身が関わっているため、無茶なスケジュールになりにくいということ、もうひとつには「考える」時間は短縮できない、ということがあると思います。

で、工数という観点で考えると、昔は設計工数に比べ、開発工数のほうが圧倒的に大きかったのですが、今は開発工数が期間が圧縮されて少なくなった分、設計工数の割合が大きくなってきているように感じます。設計工数の中にユーザ側の参加者の工数まで含んでしまうと、実はかなり大きな数字になっていたりしますよね。

システム開発というと開発のほうにばかり目が行きがちですが、全体の最適化という観点ではもう少し設計工程の効率化も検討していくべきだと思います。