フロント・システムとマーケット

投稿日:2007年11月20日 作成者:yasunaka

フロントオフィス・システム(省略して、フロント・システム)とは主に金融系のシステムにおいて、収益に直接結びつく業務をサポートする領域をカバーするシステムのことを言います。一方、勘定などお金の管理などを行うシステムをバックオフィス・システム、リスクやコンプライアンスなどを担当する部分を、その中間をとってミドルオフィス・システムと呼んで区分けすることがあります。

私は以前、金融系のシステム・エンジニアだったのですが、その中でも主にフロント・システムの領域を担当していました。(なおミドルオフィス・システムも若干やっています)

このフロント・システムの領域はまさに時間との戦いなんです。マーケットで儲かる業務をサポートするためのシステムを出すということは、儲かり始める前にシステムを提供しなければなりません。いくら立派なシステムを提供したとしても、マーケットで儲からなくなってからでは遅いんです。

しかし皆さんもご存知のとおり、一般にシステムとは開発に時間がかかるものです。それを創意工夫によって、出来る限りの短時間で目的の業務をサポートするシステムを作り上げることが、フロント・システムには求められます。

最近のWebシステム系においても、ある意味非常に似た状況だということを聞いています。最近は、そもそも全般的にシステムの開発期間が短くなっており、昔のフロントシステムの開発と似たような状況になってきているのかもしれません。

フロント系システムを担当していたときに出した1つの答えは、まずはExcelと計算用のDLLなどを駆使して、なんとか業務をまわせるものを予め提供しておき、少し時間を稼いでいる間にきちんとしたものを仕上げて置き換える、というやり方でした。商売はまずは儲かってなんぼ、の世界です。厳格さが要求されるバックオフィス業務はさておき、フロントオフィス業務をサポートするためには機動力が重要なので、できるだけ柔軟性が要求されたのです。そのためにはExcelはまさに最高の道具でした。

最近EUCというとマイナスのイメージが強く、Excelが悪者のように言われることが多いですが、まずは商売は儲けられるようにすることが重要です。業務にもよりますが、特に柔軟性が要求される分野では、まだまだExcel君が活躍すべきではないでしょうか?