360度評価

投稿日:2007年10月17日 作成者:yasunaka

昨日ご紹介した渡邉美樹さんが書いた、「もう、国には頼らない。」(日経BP社)の中に、学校の先生を360度評価するという話が載っています。先生にも切磋琢磨してもらうために、その評価基準として自分および上司だけでなく、同僚、部下、PTAの親、さらには生徒にもアンケートを取り、評価を行うということです。(ちなみに本人評価は自分に甘くなりがちであること、および校長を除く上司や部下による評価は結局年功序列的な結果となってしまうということで、途中から評価基準から外すように「改善」したそうです)

生徒からの評価というと、生徒に媚びる先生が高評価になるのではないかという疑問が出ると思いますが、生徒側が選ぶのは結局は尊敬できる先生を選ぶようです。先生は生徒から尊敬されるようにがんばる、ということになります。これは非常に自然なことだと思いました。

生徒というのは学校から見た場合の「お客様」に相当します。もちろん一般のサービス業における「お客様」の定義とはだいぶ異なるのですが、やはり学校というサービスとして考えた場合のお客様であることには間違いはありません。生徒からの評価を聞くというのは、エンドユーザにアンケートを行うというのと同じ話なのですよね。

さて、システムの開発現場でこの360度評価を取り入れるとしたら、どんな感じになるのでしょうか? つまり上司だけでなく、同僚や部下、さらにはユーザや協力会社の社員など、プロジェクトの関係者に幅広く評価に参加してもらうということです。

プロジェクトが営業的にはうまくいったものの、プロジェクト・メンバーは疲弊しまくり、結局は大量の退職者を出してしまった、なんてことを避けるためには非常に良い方法かもしれません。また影に隠れて、ユーザからの評価に寄与していた人物が浮かび上がるかもしれません。プロジェクト内のコミュニケーションに大きく寄与していた人物がはっきりするかもしれません。

少しでも客観的な評価に近づくためには非常に有用な手法ではないでしょうか?