CDSとコンカレント性
投稿日:2007年10月09日 作成者:yasunaka
CDS = Collaborative Documentation Serviceは、非リアルタイム・コラボレーションの一種です。
いままでのコラボレーション・ツールの主流はむしろ、リアルタイム性を重視したものが多いと思います。例えば誰かがスプレッドシートに数字を入力したら即座に同じスプレッドシートを見ている他の人に伝達する、といったものです。それに対して、CDSの考えではむしろ、ドキュメントを書いている最中は他の人にはその修正内容は見せずに、ある程度きちんと推敲し終わった後で初めてコミット→他の人に伝わる、という形になっています。
実際、ドキュメントの修正がリアルタイムで伝達されることが求められるのは、オンラインでの会議など、特定の使い方をする場合に限られるのではないでしょうか? 通常はドキュメントはいろいろと検討や推敲を重ねた上で公表、つまりコミットするものだと思います。ですので、むしろ非リアルタイムのコラボレーションとすべきものだと思うのです。
CDSは非リアルタイムのコラボレーションなのですが、もう一方で「コンカレント」であるという特徴があります。コンカレントとは同時に協調して動作するということです。普通は、サーバにおいてあるワープロのファイルを開くと、他の人は読み取り専用でしか開けなくなると思います。つまり、一人があるドキュメントを修正している間は他の人はそのドキュメントについては一切修正ができなくなり、その人が修正を終えるまで待たなければならないというのがいままでのワープロでした。
CDSでは、基本的にコンカレント性を重視します。つまりあるドキュメントを誰かが修正していても、他の人も同じドキュメントを修正できるようにする、ということです。例えばAさんが第1章から第3章までを担当し、Bさんは第4章から第6章まで、Cさんはそれ以降の部分を担当する、などということが、CDSでは各自ドキュメントをローカルにコピーなどすることなしに、同じドキュメントを直接同時に修正することで、できてしまう、ということです。