ベンダーの評価
投稿日:2007年10月03日 作成者:yasunaka
昨日の競争入札の話と若干絡む話題ですが、今日はベンダーの評価について書いてみます。昨日は競争入札制度について疑問を投げかけたのですが、そうは言ってもこれについてより良いベンダーの選定方法があるかといえば、正直なところ、現時点ではなかなか難しいのだろうと考えています。なぜならば、ベンダーを評価する客観的な指標といえるものが存在していないからです。
現状の競争入札制度は客観的な指標として、価格に非常に重きをおいたものと考えることができます。これは非常に明快な指標であり、ブレがありません。従って客観的な判断材料としては非常に優れた指標です。
ただ、目的(システムを品質、コスト、納期をバランスさせてもっとも良い状態で完成させること)を達成するための指標としては偏った指標であるといえます。
もし、より適切な方法を考えるのであれば、KPI(Key Performance Indicator)のような考え方が必要なのかもしれません。ただしこれを行うためには、主成功要因(CSF)は何か、それを表す指標(KGI)は何なのかをシステムを発注するたびに、事前に定義する必要があります。また参加するベンダーはみな、普段から指標値を計測しておき、発注元から求められたときにその値を提出できるようにしておかねばなりません。またその値が正しいかどうかを監査する第三者機関も必要になります。
そもそもシステム開発を成功させるためのCSFは何で、それを適切に表すKGIとしては何を参照すべきかについてはかなりの研究が必要で、そうおいそれと「とりあえずこれで行こう」というわけにはいきません。
いままでシステムの開発工数を算出するための研究というのはいろいろ行われてきたと思うのですが、適切なベンダーを導出すためのファクターを研究したというのは、私が知らないだけかもしれませんが、少なくともあまり有名なものはないのではないでしょうか?
将来に向けて、こんな研究を行う大学があっても良いと思いますが…