ポジションと経験が人を育てる

投稿日:2007年08月27日 作成者:yasunaka

あるプロジェクト・マネージャの方から聞いた話です。その人のプロジェクトでは、たとえ新卒2,3年目程度の若手であろうが、リーダとして将来性があると見込んだ人は、7,8人程度のプロジェクト・チームのリーダーのポジションに据えて経験をつませる場合がある、という話をしていました。7,8人程度のプロジェクト・チームというのは新卒2,3年目には通常はまだ重いポジションだと思いますが、そこを敢えてTryさせることで育てるということでした。

この話は私も非常にうなずけました。プロジェクト・リーダやプロジェクト・マネージャをうまくこなすには経験が重要になりますが、経験を積み始めるのが一定年齢を越さなければならない、なんてことは本来ないはずです。むしろ経験を積むには早ければ早いほどいいのだと思います。

一方で、これを実践するには2つの問題があると思います。1つは失敗するリスクにどう対処するか、もうひとつは抜擢されなかったそれ以外の人たちをどうサポートするのか、という点です。

失敗するリスクにどう対処するか、というのは若かろうが、年を食ってようが、プロジェクト・リーダやプロジェクト・マネージャとしてやり始めたときには誰でも同じ問題に直面するといえます。ただ若い分、失敗したときに、「ほら、見たことか」のような中傷を受ける可能性が高いといえます。

でも、誰でもなんらかの失敗はするものです。失敗が一切許されていないというのでは息が詰まってしまいます。失敗を許容する文化を育てるべきではないでしょうか?

抜擢されなかったそれ以外の人たちをどうサポートするか、という点については、上記で述べた「失敗を許容する文化」を創るという話と関連するのですが、失敗を許容するというのは単に暖かく見守るということだけではなく、大きな、致命的な失敗を犯さないように周りの人たちが新人リーダをサポートするような、そんな文化を創れるか、ということだと思います。

つまり、リーダ⇒メンバへの一方的な命令で物事を進めるのではなく、リーダ⇔メンバのように相互にコミュニケーションしながら、対等な立場で仕事を進められるようにできるか、ということです。言い換えると、メンバ間に、プロフェッショナルとしての自覚を育てるということだと思います。