EUCの功罪

投稿日:2007年07月10日 作成者:yasunaka

日経のITProに「御意見募集、“Excelレガシー”への対処法」というのが載っていました。EUC(End User Computing)で作られたExcelマクロの数々が、内部統制に注目された今、ブラックボックス化して問題になっている、という話です。実際、情報システム部門が管理しなければならなくなったが、いまさらどうしよう、という感じで困っているところも多いのだと思います。

もともとEUCというのは情報システム部門がバックログを一杯抱えて現場のニーズにこたえきれないために始まった、という面もあると思うのです。それなのに今になってやっぱり情報システム部門が面倒見て、というのは正直つらいところでしょう。

そもそもスクリプトとかマクロといったものは、現場の「ちょっとした」ニーズにこたえるためのもので、恒久的に利用されることまでは想定していないもののはずです。でも一旦それが現場で回りだすと、それが「システム」化してしまいます。そしてやっかいなのが、通常そういったEUC的に作られたシステムというのは十分にテストや検証が行われておらず、拡張性にも欠けるということだと思います。

今まで作られてきたそういったツールについても、「システム」化したものについてはもうちょっときちんとしたテストを実施すべきなのだと思います。私はEUCそのものは悪いことだとは思っていません。すべてを情報システム部門でやるのは無理な話です。簡単にExcelでできることであればそうすべきでしょう。ただし、定型的な業務の中でExcelマクロを利用する場合には、ある一定のテストプロセスを経た上でなければ利用できない、などの規定が必要なのではないかと考えます。