良い赤字プロジェクトはあるか

投稿日:2007年06月29日 作成者:yasunaka

会社とは利益を得るために存在しています。ですので通常はプロジェクトが赤字の場合、そのプロジェクトは「悪い」プロジェクトである、とされます。でもそれは常にそうなのでしょうか?

もちろん赤字というのはあまりいいことではないのですが、プロジェクトマネージャーを育てるためとか、将来のより大きな案件のための種まきのためとか、戦略的な理由があるのであれば、必ずしも赤字プロジェクト=悪とはいえないでしょう。これは将来に向けた投資だからです。

逆も真かもしれません。黒字プロジェクトは常に正しいのでしょうか? 黒字を確保しているのだけれども、中にいる人たちが疲弊しまくっているとか、やる気が出せないでいるとか、辞める人が続出しているとか、もしそのようになっている場合、そのときだけみれば確かに黒字かもしれませんが、将来に大きな負債を抱える結果になってしまっているかもしれません。

でも会社というのは、非常に短期的に赤字・黒字だけで良し悪しを判断しがちです。スタート時点は戦略的意味を強調して赤字でもいい言っていても、いざ決算期を迎えるとやっぱり赤字はだめ、と手のひらを返すようなケースもあります。

なかなか難しい問題ですが、やはり重要なのはコンセンサスでしょう。戦略的に赤字プロジェクトを行うのであれば、その意義について関係者間で十分なコンセンサスを得ておくのが肝要だといえます。