システム開発会社とシステム提供会社
投稿日:2007年06月15日 作成者:yasunaka
最近よくSaaS(Software as a Service)という単語を聞くようになりました。基本的には昔のASPという単語の焼き直しなのですが、そのときは騒がれた割に掛け声倒れで終わってしまったためにあまり良い印象がありません。そういうこともあって新しい言葉が造語された、ということもあるのでしょう。もちろん「SaaSとASPではここが違う」とか説明がありますが、本質的な部分は一緒だと思います。ただし社会基盤として高速で安価なネットワークが完備されたことで、ASPのときの失敗の大きな原因が取り除かれているといえるでしょう。
私は、このSaaSは単なるブームではなく、勝ち残るシステム提供会社が進む道だと考えています。SaaSの世界ではシステム開発会社ではなく、システム提供会社となります。この「開発」から「提供」へ変われるか変われないかが、大きな分岐点であり、勝者と敗者の分かれ目になると考えています。
今までシステムを開発することを生業としてきた会社は、基盤的なものを提供する一部の会社を除いて、システム提供会社の下請けに甘んずるか、どんどん狭くなる市場から徐々に淘汰されるか、システム提供会社の提供するサービスに対するコンサルティングで食べていくか、それらのいずれかになっていくのではないかと私は予測します。
そうなるとすると、百貨店的な分野を問わないシステム開発を手がけているベンダーよりも、ブティック的に、ごく専門的な特定の分野についてのシステム開発に強いベンダーのほうが有利になるのかもしれません。というのは、どのようなシステムを提供すべきかがわかっているからです。
以前のブログでも書きましたが、これこそが「製造業」から「サービス業」への転換です。さて、日本のシステム開発会社の中で、どれくらいの会社がこの流れについてこれるのでしょうか?