アプリのコモディティ化

投稿日:2010年07月18日 作成者:yasunaka

最近、テレビをつけているとiPhoneアプリをネタにしている番組がちょくちょくあります。テレビから「?できるアプリをゲット  :shock:」みたいな言葉が流れてくるのを聞くと、「アプリ」という言葉がそんなに市民権を得たのか?と感慨深いものがあります。

アプリとは、当然アプリケーション・ソフトの省略形なのですが、昔は「ソフト」って言っていたのに、なぜかiPhoneに関しては「アプリ」の方が通りが良いらしいです。ま、Appleが「アプリケーション」と言っているのを略して「アプリ」なので、ソフトと言わないのはその辺にあるのでしょう。

さて、今のiPhoneアプリを見ていて感じるのは、旧来のアプリケーション・ソフトと今の「アプリ」を比較した場合、主軸が機能からコンテンツに移っているということです。

つまり旧来のアプリケーション・ソフトでは、例えばワープロソフトのように文章を作るための機能が全てであって、中身の文章そのものは対象外でした。でも今の「アプリ」では、例えば文章を作るアプリの場合ならば「簡単に面白おかしい文章が作れます」みたいな、むしろその中身の文章そのものを売りにしているようなものが増えている気がします。

確かにアプリを求める人たちは、そのアプリを使って何かを一から作り上げるよりは、より手軽に、既に存在しているコンテンツをちょこちょこっとイジッてアレンジして楽しめる、という使い方の方が好むのかもしれません。

もともと発想の原点はWebで、Webだとコンテンツを提供するだけなので、そこでインタラクティブにいろいろと加工できる機能をつけたものが、今の「アプリ」の本質なのでしょう。

こうした今の「アプリ」では機能の違いはちょっとした付加価値的なものであって、コンテンツこそ命となります。コンテンツを機能とセットで売る、というのが今のアプリのビジネス・スタイルなのだ、といえるでしょう。

こうしたコンテンツをベースとしたアプリが大量に発生している現状を、私は「アプリのコモディティ化」と呼ぶことにしたいと思います。

さて、じゃあシステム屋は何を作って売るべきなのか? 旧来の機能だけを提供するようなシステム屋はどんどんニッチになってきています。コンテンツとセットになった総合的な仕組みを提供できないところは、今、急速に起こっているアプリのコモディティ化に耐えられなくなるかもしれません。

この考察は、いずれまた後日に。