オンライン/オフライン

投稿日:2007年03月27日 作成者:yasunaka

今はajax花盛り。世の中の潮流はどんどんブラウザベースに流れていますね。そんな中で日経ITプロのブラウザはどんどん使いずらくなるという記事はなかなか面白い視点から見ているな、と感じました。Ajaxをセキュリティーの観点からこのままで大丈夫?と懐疑的に見ている記事です。

確かに今までのクライアント/サーバー型アプリケーションに比べ、いろいろなアプリケーションが相乗りし、いろんなサーバーへ簡単にアクセスできるブラウザベースのアプリケーションはセキュリティーの問題が発生しやすい構造だといえるのでしょう。

この記事の中で私が一番注目したのは、実はセキュリティーの話ではなくて、ブラウザをオフラインで利用する技術の話でした。オフラインのときに「ブラウザ上で一種のプロキシ・サーバーを稼働させて,Webアプリケーションを利用する」という形態だそうです。そういえば、同じようにオフラインでの利用を可能とする技術として、あまり詳しくはないのですが、AdobeがApolloというプロジェクトでFlashベースのアプリケーションをブラウザから切り離して動作できるようにするという話がでていますね。

いずれにしても現時点ではブラウザベースで成り立つアプリケーションとそうでないアプリケーションがあるのは事実だと思います。例えばAdobeのIllustratorがAjaxベースで書き直されてブラウザで動かせるようにしたとしても、それが使い物になるとは今はとても思えません。(PCにインストールしたって、あんなに起動に時間がかかるんですから)

ただ今まではブラウザベースでは成り立たないと思われてきた分野に徐々にアプローチしようとしていることは事実なのだと思います。特にオフラインでも使えるようになると利用の範囲が広がると思います。

では従来タイプのアプリケーションには未来はないのか? いや、私は新しい未来型のブラウザベースではないアプリケーションというのがあると思っています。もちろん大部分はブラウザベースに移行してしまうと思うのですが、大量のリソースを必要とする複雑なアプリケーションはどうしても従来型の、インストールが必要なアプリケーションとならざるを得ないと思うのです。

従来型のアプリケーションが忌み嫌われてきたのは(言い過ぎか?)、アプリケーションの保守管理の問題が大きかったと思うのですが、例えばFireFoxは2.0のような手のかからない自動更新の仕組みがあれば、あまり保守管理の問題はなくなるのではないでしょうか?

逆に従来型のアプリケーションには、たとえサーバがダウンしていても使い続けることができるという強みがあります。(もちろん業務によりますが) またネットワークがつながらない場所でも、どこでも利用できるというのも強みです。この耐障害性の高さ、どこでも利用できるという特性をうまく生かせば、面白い未来型のアプリケーションができるんじゃないかな?って思っています。