Excelレガシー

投稿日:2008年08月27日 作成者:yasunaka

IT Proの1万人が使った“Excelのお化け”という記事を面白く読みました。日産とリクルートの事例で、多くの人がExcelファイルを共有して使っている場合に起こる問題点と、その解決方法について書いています。

解決策は、日産の場合にはデータをExcelを使ってXML化し、XMLデータベースに格納する方法、リクルートの場合にはマイクロラボ社のツールを用いるというものでした(ExcelをWebブラウザ内で動かし、そことアプリケーション・サーバを連動させてDBに格納する方式)

それぞれ、いわゆるWeb化はしていないのですが、理由はユーザがExcelを使い慣れているため、そして高額な投資をしてWeb化するほどでもない、という2つの点のようです。

正直なところ、読んで思ったことは、これは最初からわかっていた事だよね、ということです。多少Excelを使い込んでいる人であれば、それだけの大人数(日産の場合、なんと日米欧の1万ユーザ)でExcelファイルをみんなで共有して使った場合に問題が起きないわけがないことぐらい理解しているでしょう。

でも現実問題として、こういうのってよくある話だと思います。上記のいずれもいわゆる情報系であり、勘定系と異なりシステム投資があまり行われません。金がないから、まああるものでいこう、ということになるのです。

法律上必要だとか、何らかの理由がないと、情報系と呼ばれる部分にはなかなか投資してもらえません。人手で回せる間は人手で回す、という発想になりがちです。投資対効果がわかりずらいことも一因でしょう。

しかしビジネスは「情報戦」です。外部・内部を問わず、情報を制する者が最終的には勝つはずです。それらの仕組みを積み重ねていくことで、他者に対する確固たるアドバンテージを得ることができるようになります。日本のシステム投資も、もう少し大局的なものの見方で、情報に投資する、という姿勢が必要なのではないでしょうか?