プロジェクトを確実に破綻させる方法 その2

投稿日:2007年03月26日 作成者:yasunaka

次にご紹介する「プロジェクトを確実に破綻させる方法」は、「完璧な要件の追求」です。これってシステムを作る側ではなく発注者側で起こりがちな話なのですが、システムを『抜けのないもの』にするという気持ちが強く働きすぎて、結果まともに仕上がらなくなる、というケースです。

システムを現場で実際に使うことを考えると、いろんな要件が出てきます。期末にはこれをやらなきゃならないとか、これが発生したらこの処理が必要だ、とか、そういった通常処理とは異なる処理についても検討が必要です。そうやって必要な処理を並べていくと初期段階では単純なシステムだったはずのものが、ふたを開けてみたらすごい工数の開発が必要だった、なんて経験がありませんか?

もしそう感じたならば、それは「完璧な要件の追求」の罠にはまっていないか、もう一度見直してください。この罠にはまっているとすべての要件の優先順位が高く設定されてしまい、どれも「落とすことにできない」要求になってしまっているはずです。しかも困ったことに優先順位を設定できるのは通常発注者側なので、受注者側では鵜呑みにしてしまいがちな点が非常に厄介です。

もし「完璧な要件の追求」の罠にはまりそうだと感じたら、ちょっと立ち止まってそのシステムに求められているROIのレベルを発注者側と確認してみてください。そもそもそのシステムを導入することによって、どれだけの利益を得ようとしているのか、そしてその利益に見合う投資とはどれだけか、ということです。

これによってまず最初にこのシステムにかけることのできる投資額の上限を合意しておくのです。これ以上投資する必要があるならば、それはそのシステムを作らないほうが良いのだ、ということを最初にはっきりさせておくことがポイントです。(逆にでてきた投資額の上限が際限なく高いものの場合には、腹をくくって突進しましょう  :grin:)

ちなみにこの投資額の上限を合意する方法については他にもご紹介したいことがあるのですが、それは後日ということで。