SaaSは果たして「電気・水道」になれるのか?

投稿日:2008年01月22日 作成者:yasunaka

SaaS(Software as a Service)が目指している世界として、良く引き合いに出されるのが、「電気・水道」です。電気や水道と同じように社会生活を行う上での基盤、インフラとなることを目指したもの、それがSaaSの究極の姿として説明されることがあります。

ハードウェアとしての情報系インフラとしては電話やブロードバンド通信があります。電話(携帯を含めて)はいまやなくてはならない必須のインフラですし、ブロードバンド通信環境も徐々にそうなりつつあると思われます。ではSaaSはそれに続くインフラとなりうるのでしょうか?

私は正直なところ、インフラとしてのSaaSという説明には正直なところ?と思っています。SaaSによるビジネス・モデルは決して寡占的なものではなく、むしろよりよいサービスを「選択」できる点にメリットがあるのではないでしょうか? ですので、選択の余地のないインフラ=社会共通基盤としての「電気・水道」とは別のものなのではないかと考えています。

SaaSが選択=スイッチすることが可能な仕組みとなっていることにより、サービス間の競争が行われ、自由な価格競争や、より良いサービスが提供されることになります。

SaaSとはソフトウェアの世界の、製造業からサービス業への脱皮のための仕組みであり、徐々に「なくてはならないもの」になっていく可能性が高いと思っています。ですが、選択の自由があるという点で、いわゆる社会共通基盤というよりは、より営利性の高い、自由競争の世界の中で育っていくものだと思っています。