昔からXPをやっていた分野

投稿日:2007年11月30日 作成者:yasunaka

もう20年近く前の時代の話です(うーん、こういうとずいぶん昔に聞こえる…)。証券の分野でデリバティブが急速に普及してきた時期に、ニューヨークの金融街でデリバティブ・トレーディングを行うチームには一定のスタイルがありました。

それは、そのチームには、トレーダーと数学者とプログラマーが1セットになっていて、いずれも「あ、うん」の呼吸で仕事ができるようにすぐ近くで仕事をしていた、ということです。数学者がマーケットの歪を分析し、プログラマがそのリスク分析をするプログラムを書き、それを使ってトレーダーが実際にデリバティブを売買するのですが、互いに密に連携しあって仕事をしたほうが良いということで、机を並べあって仕事をしていました。

ちなみにその当時は、そのスタイルでトレーディングをして大儲けしていたようです。

私が当時いたところでも(日本ですが)、このスタイルを真似てやっていたところがあります。これって今にして思うと、XPスタイルなんですね。先日ある勉強会に行った時に話していたら、「それってXPですね」と言われて、おお、やっぱりそうか、とあらためて思いました。

純粋に、一番儲けるにはどうしたらいいかを考えた結果、XPスタイルになっていた、ということになります。現在のシステム開発はどうしてもエンドユーザから遠い位置で開発しがちですが、分野によってはこのように、エンドユーザと密になって開発するというスタイルももっとあっていいような気がしています。

ただ、ひとつ付け加えることとして、この立場で動けるプログラマというのはかなり高度な能力と、対象分野に対する専門性が必要で、かつ体力も要求される、ということは一応伝えておきます…