技術者の立場から見たSaaS

投稿日:2007年08月14日 作成者:yasunaka

最近、日経新聞とかにもSaaSという言葉が踊っていて驚かされることがあります。NBOnlineでもつい先日、SaaSでもっとも成功している企業の例としてSalesforce.comの話を取り上げていますね。

以前のブログでシステム開発会社とシステム提供会社というテーマでSaaSの進展に従ってシステム会社の「製造業」から「サービス業」への転換が始まるという話を書きました。SaaSの本質は、技術的な面よりもむしろ、今までオーダーメイドで作っていたのを止めて、既製品を提供する商売へ転換するということだと思います。

その意味ではパッケージ商売と近い部分があります。ただしパッケージ商売の場合、ソフトウェアだけを売り物(正確には使用許諾権ですが)にしていたのに対し、SaaSではもっと広く、利用するためのバックエンドの仕組みを含めて全体をサービスとして提供します。つまり、作っては売る「製造業」の世界から、継続して様々なサポートを提供するサービス業への転換を意味することになります。

システム開発会社の世界では製造力、すなわち技術力(と体力?)の勝負ですが、システム提供会社の世界では技術力もさることながら、他にも企画力や運営能力など、総合的な能力が問われるようになります。

ではシステム開発会社の技術者とシステム提供会社の技術者では違いがあるのでしょうか? 技術者という立場からみれば、作るのは同じじゃんと思うかもしれませんが、実は大きな違いがあります。それは顧客との関係という点です。

オーダーメイドでシステムを作る場合、顧客と開発会社の関係は主従の関係になります。つまり顧客のほうが開発会社よりも圧倒的に強い立場になります。顧客の言うことには従わなければなりません。

一方のシステムを提供する立場の場合、システム・オーナは自分自身(の会社)なのです。もちろん多くの顧客に使ってもらうために様々なサービスを顧客に提供していかなければなりませんが、システムがどうあるべきかは自分達が決めることになるのです。もちろん会社の内側を見ると企画側と開発側での綱引きとなるのですが、そうは言っても自分の会社自身がシステム・オーナであり、どういうシステムとすべきかという部分に技術者がより主体的に関与できるという点で、大きな違いがあるといえます。

自分達のシステムであれば、作るシステムへの愛着も格別かもしれませんね。